Chromiumベースのブラウザ「Vivaldi」に新バージョン 技術者・パワーユーザー向け機能を強化:日本語環境を改善、開発者向けツールのUIも工夫
Chromiumベースのブラウザ「Vivaldi」の最新版「バージョン 1.10」が公開された。日本語環境を改善し、ダウンロードファイルの並べ替えなどの新機能を追加。開発者ツールを使いやすくする工夫も取り入れた。
ノルウェーのVivaldi Technologiesは2017年6月15日、同社が開発するWebブラウザの最新版「Vivaldi 1.10」を公開した。
Vivaldiは、オープンソースのWebブラウザコンポーネント「Chromium」をベースに開発されたWebブラウザ。ブラウザ「Opera」を開発したOpera Softwareの創業者で元CEO(最高経営責任者)であるヨン・フォン・テッツナー氏が手掛け、Operaのレンダリングエンジン変更によって幾つかの機能が削除されたことに不満を持つ、かつてのOperaユーザーを対象に開発された。2016年4月にバージョン 1.0正式版を公開。Windows、macOS、Linuxに対応する。
新バージョンの1.10では「Chromium 59.0.3071.90」を採用し、スタートページの見た目や振る舞いなどカスタマイズ可能な範囲を拡大した他、同一ウィンドウ内にWebページと開発者向けツールを並べる「ドッキング表示」に対応した。同社では、この開発者向けツールのドッキング機能がバージョン 1.10の特に重要な改善点だとしている。GoogleのWebブラウザ「Chrome」と同様に、Webページを表示するペインの下または左右に開発者ツールを表示可能。これまでの別ウィンドウ表示と併せて、ページ内要素の検証、コードのテスト、デバッグなどの作業がより行いやすくなるという。
その他、ダウンロードしたファイルを並べ替える機能や、Webページ内に埋め込まれている画像の表示/非表示を切り替える機能などを追加した。ダウンロードしたファイルは、ファイル名、ファイルの大きさ、ダウンロード開始日時、ダウンロード終了日時、アドレス(URL)でソートできる。手動での並べ替えも可能だ。
さらに、キーボードショートカットでWebブラウザを制御するクイックコマンド機能も強化した。タブやページ遷移、ページ内検索、利用可能なコマンドのリストのフィルタリングなどが実行できる。アドレスバーのドロップダウンリストに、ブックマークと入力履歴を表示させないように機能も追加されている。
これまでに見つかったバグも多くが修正され、特に日本語環境の改善が集中的に行われた。全体では80点のバグを修正したという。
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