Microsoft、Windows 10とOffice 365を統合した「Microsoft 365」を発表 1ユーザー月20ドルから:Windowsも月額課金制で、Businessエディションは2017年8月2日にプレビュー版公開
Microsoftは、「Windows 10」「Office 365」「Enterprise Mobility + Security」をセットで提供する企業向けクラウドサービス「Microsoft 365」を発表。2017年8月1日から大企業向けエディションの販売を開始する。
Microsoftは2017年7月10日(米国時間)、米国で行われたパートナー向けイベント「Microsoft Inspire」(旧称Worldwide Partner Conference)で、クライアントOS「Windows 10」、オフィススイート「Office 365」、エンタープライズモビリティおよびセキュリティスイート「Enterprise Mobility + Security」をセットで提供する月額課金制サービス「Microsoft 365」を発表した。
ラインアップは、企業規模別に「Microsoft 365 Enterprise」「Microsoft 365 Business」の2つで展開。大企業向けのEnterpriseエディションを2017年8月1日に販売を開始。中小規模企業向けのBusinessエディションも2017年秋の正式リリースを予定する。
Microsoft 365 Enterprise
Microsoft 365 Enterpriseは、「Windows 10 Enterprise」「Office 365 Enterprise」「Enterprise Mobility + Security」をセットにして提供するエディション。それぞれのサービスが統合されることで、以下ような新たなメリットが生まれるとMicrosoftは訴求している。
- AI(Artificial Intelligence:人工知能)や機械学習を利用するツールに支えられた手書き機能「Windows Ink」を利用可能。音声やタッチなども併用した操作スタイルをサポートすることによって、さらなる業務効率の向上を支援できる
- 一連のアプリケーションとサービスを「汎用性の高い共同作業ツール」とともに提供する。これによって従業員は、業務データへのアクセス、共有、コミュニケーションの方法をさらに柔軟に選択できるようになる
- ユーザー、デバイス、アプリケーション、サービスの一元的な管理を可能にする。大幅にIT管理者の負担を低減できるようになる
- 顧客データ、企業データ、知的財産の保護を支援する「インテリジェントセキュリティ機能」が標準で組み込まれる
Microsoft 365 Enterpriseの提供プランは、「Microsoft 365 E3」と高機能な「Microsoft 365 E5」の2つ。いずれも2017年8月1日に販売が開始される。
Microsoft 365 Business
Microsoft 365 Businessは、最大で300ユーザーまでの企業を想定したエディション。「Windows 10 Pro」「Office 365 Business Premium」「Enterprise Mobility + Security」を基に、カスタマイズされたセキュリティ機能と管理機能を統合して提供される。Microsoftが挙げた主な特長は以下の通り。
- 企業が従業員、顧客、サプライヤーのより良い関係を構築し、より大きな成果につなげられるように支援する機能を標準で用意する
- 従業員が、どこでも、どのデバイスでも仕事ができるように支援する機能を搭載する
- 常時稼働するセキュリティ機能を備え、企業データをあらゆるデバイスにわたって保護する
- 1つのコンソールで、従業員向けデバイス、サービスの設定、管理を容易に行えるようにする
Microsoft 365 Businessは、2017年8月2日にパブリックプレビュー版の提供を開始し、2017年秋に正式リリースされる予定。価格は1ユーザー当たり20ドル(約2270円)/月から。併せて、Office 365 Business/Business Premiumに追加される以下3つのアプリケーションのプレビュー版も公開した。
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