新世代Xeon「インテル Xeon スケーラブル・プロセッサー」登場 Dell EMC、富士通、レノボなどが新世代サーバをリリース:新世代データセンターに向けて、AIワークロード性能やVDI集約率なども向上
インテルが新世代Xeon「インテル Xeon スケーラブル・プロセッサー」を正式に発表。Dell EMC、QCT、富士通、レノボなどのハードウェアベンダーも、新Xeonを採用した製品群をリリースする。
Intelは2017年7月12日、データセンタープラットフォーム向けの新CPU「インテル Xeon スケーラブル・プロセッサー」を発表。これに合わせてハードウェアベンダー各社からも、この新CPUを採用したサーバ製品群がリリースされる。
インテル Xeon スケーラブル・プロセッサーは、マルチクラウドでの各ワークロードに最適化されたパフォーマンス、セキュリティ、アジリティ(俊敏性)をこれまで以上に提供できるようにアーキテクチャを大きく改良。「ここ10年で最大となるデータセンタープラットフォームの進化」とIntelは述べている。1プロセッサ当たりのコア数は最大で28、また最大で6TBの物理メモリに対応する。
この他、512ビット長の専用レジスタを利用するSIMD(Single Instruction/Multiple Data)演算命令セット「Intel Advanced Vector Extensions 512(インテル AVX-512)」、暗号化処理やデータの圧縮処理をハードウェアレベルで実行して高速化する「インテル QuickAssist テクノロジー」などの新技術も実装。前世代製品と比べてシステム全体の性能を最大で65倍に向上、機械学習を軸にするAI(Artificial Intelligence:人工知能)ワークロードを同じく2.2倍高速化、また、VDI(Virtual Desktop Infrastructure:デスクトップ仮想化)ワークロードにおける仮想マシンの集約率も最大で2倍以上に高める性能を実現するという。
併せて、Dell EMC、Quanta Cloud Technology(QCT)、富士通、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズなどのハードウェアベンダーも、インテル Xeon スケーラブル・プロセッサーを採用したサーバ製品群をリリースする。
Dell EMCは、インテル Xeon スケーラブル・プロセッサー用に設計した「第14世代 Dell EMC PowerEdgeサーバ」を投入。「VxRail」「VxRack」「XCシリーズ」「vSAN Ready Nodes」「ScaleIO Ready Nodes」「IsilonSD Edge」「Elastic Cloud Storage」の基盤サーバとして刷新する。NVMe(Non-Volatile Memory Express)、SDS(Software Defined Storage:ソフトウェア定義型ストレージ)、ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)スタックの利用に最適化した機能が実装される。
台湾Quanta Computer傘下のホワイトボックスサーバベンダー QCTは、インテル Xeon スケーラブル・プロセッサーを採用した「第2世代QCTサーバープラットフォーム」として、「QuantaGrid D52B-1U」「QuantaGrid D52BQ-2U」「QuantaPlex T42S-2U(4ノード)」「QuantaPlex T42SP-2U(4ノード)」の4モデルをリリースした。いずれも2ソケットのラックマウント型で、QuantaGrid D52B-1Uは1Uサイズながら最大5枚のPCIe拡張スロットを備える。その他の3モデルは2Uサイズで、QuantaPlex T42SP-2U(4ノードは)は、NVMe接続のストレージI/Oに対応する。
富士通は、サーバブランド「FUJITSU Server PRIMERGY」にインテル Xeon スケーラブル・プロセッサーを搭載した5モデルを追加する。
内訳は、ラック型が2モデル、マルチノードサーバが2モデル、GPU内蔵のマルチノードサーバが1モデル。ラック型はどちらも2基のCPUソケットを備え、1Uまたは2Uサイズで構成される。マルチノードサーバは、2Uサイズのシャシーに最大で4ノードを内蔵可能。GPU内蔵のマルチノードサーバは、AIシステムやハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)用途、あるいはVDI環境向けのGPUカードに対応し、2Uサイズのシャシーに最大2台格納可能。GPUは、例えば1ノード当たり最大4枚の「NVIDIA Tesla P100」を搭載でき、GPUカード間を「NVIDIA NVLink」で接続できる。
中国Lenovoの国内法人製品子会社レノボ・エンタープライズ・ソリューションズは、エンタープライズ向けサーバ、ストレージ、ネットワーク、スイッチの新ブランド「ThinkSystem」とSDx製品の新ブランド「ThinkAgile」を立ち上げ、インテル Xeon スケーラブル・プロセッサーを採用した製品群を投入する。ラインアップは、ラックマウント型の「ThinkSystem SRシリーズ」、タワー型の「ThinkSystem STシリーズ」、ブレードサーバの「ThinkSystem SNシリーズ」、ラックマウント型高密度サーバの「ThinkSystem SDシリーズ」など。ThinkSystem全体を一元管理するサーバ管理ソフトウェア「XClarity」も刷新した。
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