Azure BackupのVMバックアップから「ファイル/フォルダ単位」のインスタントリカバリーが可能に:Windows VMとLinux VMで利用可能
「Azure Backup」に、Azure仮想マシンのバックアップから“ファイル/フォルダ単位”でインスタントリカバリーする機能が実装された。Windows VMとLinux VMで利用できる。
Microsoftは2017年7月20日(米国時間)、クラウドバックアップサービス「Azure Backup」の機能を拡充。WindowsあるいはLinuxインスタンスのAzure仮想マシン(VM)のバックアップから、特定のファイルやフォルダをリカバリーできる機能の正式版を公開した。
この新機能は、2017年2月に公開したWindows VM向け、同じく2017年3月に公開したLinux VM向けのβ版からユーザーフィードバックを受け、セキュリティ性やパフォーマンスの向上、バグ解消などを行い、正式版となった。
VMバックアップから、特定のフォルダ/ファイルを対象にしたインスタントリカバリーが可能に
ポイントは、インフラを追加することなく、VMバックアップからフォルダ/ファイル単位でのリカバリーが可能になること。作業中にうっかり削除してしまったファイルを復旧させたいシーンの他、「バックアップ内容が正しいかどうかを検証したい場合」などにも活用できる。
アプリケーションファイルを復元せずに開ける
iSCSI(Internet Small Computer System Interface)ベースのアプローチを用いれば、クラウドの回復ポイントから、アプリケーションインスタンスに対してアプリケーションファイルを直接開いたり、マウントしたりできる。VM全体を復元する必要がないことから、リカバリー時間を短縮できる他、消費帯域の節約も期待できる。
例えばMongoDBが動作するLinux VMのバックアップでは、容量の多いデータダンプ全体をダウンロードすることなく、クラウドの回復ポイントからBSON(Binary JSON)データダンプをマウントし、即座にバックアップを検証したり、個々のアイテム(テーブルなど)を取り出したりできる。
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