マイクロソフト、Azure Linux VM向け「インスタントファイルリカバリー」機能を公開:Linux VMでも瞬時リカバリーが可能に
Azure Linux VM向けにも、バックアップから瞬時にリカバリーできる「インスタントファイルリカバリー機能」が実装された。
米マイクロソフトは2017年3月16日(米国時間)、Microsoft Azure上へLinux仮想マシンを構築する「Azure Linux VM(Virtual Machine)」向けの機能拡充を発表。Azure Linux VMにバックアップから瞬時にリカバリーできる「インスタントファイルリカバリー機能(β版)」が追加された。
インスタントファイルリカバリーは、追加コストやインフラなしで「Azure Recovery Services Vault」からファイルを瞬時にリストアできる機能。Azure Windows VM向けには、既に2017年2月に提供が開始されている。マイクロソフトは、インスタントファイルリカバリー機能のメリットとして、以下の2つを挙げている。
瞬時のファイルリカバリーが可能
Azure VMのクラウドバックアップからファイルを直ちにリカバリーできる。例えば、うっかり削除してしまったファイルを回復させる場合やバックアップ内容を検証する場合などに活用することで、データのリカバリーにかかる時間を大幅に短縮できる。
アプリケーションファイルをリストアせずにマウントできる
iSCSIベースのアプローチを用いれば、クラウドのリカバリーポイントからアプリケーションインスタンスへ、アプリケーションファイルをリストアすることなく直接オープン/マウントができる。例えば、MongoDBが動作するAzure Linux VMのバックアップの場合、データダンプ全体をダウンロードすることなく、クラウドのリカバリーポイントからBSONデータダンプをマウントし、素早くバックアップを検証したり、個々のアイテム(テーブルなど)を取り出したりできる。
インスタントファイルリカバリー機能を利用するためのリカバリースクリプトは、以下の要件を満たす仮想マシンで実行できる。
- スクリプトが実行されるマシン(リカバリーマシン)のOSは、バックアップされたLinux VMに含まれるファイルのファイルシステムをサポート/認識する必要がある
- リカバリーマシンのOSは、バックアップされたVMとの互換性が必要。ディストリビューションとバージョンについては、Ubuntu 12.04以降、CentOS 6.5以降、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)6.7以降、Debian 7以降、Oracle Linux 6.4以降が対象になる
- リカバリースクリプトを実行し、リカバリーポイントとの安全な接続を確保するには、Python 2.6.6以降、Bash 4以降が必要となる
- リカバリースクリプトでマウントされたパスは、ルート権限を持つユーザーだけが見ることできる
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