SRA OSS、商用PostgreSQLの最新版「PowerGres 9.6」をリリース:パラレルクエリ、BRINインデックスなどが利用可能に
SRA OSSがPostgreSQLの商用版「PowerGres V9.6」をリリース。PostgreSQL 9.6で拡充されたパラレルクエリ、UPSERT操作、BRINインデックスなどの機能に対応。OSSの導入には技術的な不安や心配があると考える企業に向け、サポートメニューとともに展開する。
SRA OSSは2017年8月24日、PostgreSQL互換データベース管理システム(DBMS)の最新版「PowerGres V9.6」の販売を開始した。
PowerGresは、OSS(オープンソースソフトウェア)データベース「PostgreSQL」と完全な互換性を備えるPostgreSQLの商用版として展開する製品。「PostgreSQLをより使いやすく」「PostgreSQLをより安心して使う」「PostgreSQLに安心のサポートを」をコンセプトに、企業のOSS導入に伴う技術的な障害や不安を取り除くためのサポートメニューを用意する。レプリケーション構成やHA(High Availability:高可用性)構成にも対応する。
PowerGres V9.6ではPostgreSQL 9.6をベースとし、パラレルクエリ、UPSERT(UPDATE+INSERT)操作、BRINインデックスなどの機能を新たに備え、同期レプリケーションも強化された。
パラレルクエリは、1つのクエリを複数のプロセスで並列処理して高速化を図る機能。クエリによっては数倍の性能向上が期待できるとしている。UPSERTは、INSERTしようとした行が存在するならば更新(UPDATE)する処理のこと。INSERTの実行時に制約による衝突(CONFLICT)が発生した場合に別のアクションを実行させる構文が追加され、これを利用してUPSERTが可能になった。BRINインデックスは、整列に配置されたデータに対して効果を発揮する方式。バージョン9.6では、より小さいサイズでも、デフォルトのインデックス方式であるB-Treeに迫る性能を実現できる可能性が高まるとしている。
また、同期レプリケーションについては、前バージョンまでの「スタンバイへのデータ転送まで」ではなく、「データベースへの適用」までを保証するようにしている。
PowerGres V9.6は、Linux向けの「PowerGres on Linux」と、Windows向けの「PowerGres on Windows」で展開。価格はどちらも4万8000円(税別、以下同)+年間サポート契約。サポート価格は、1年単位の「PowerGresサポートサービス」が8万円、5年単位の「PowerGres サポートサービス 5年サポート」が36万円。オプションで「ODBCサポート」「Npgsqlサポート」も用意する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- OSSデータベースの「スーツ」と「ギーク」はどっち?──MySQLとPostgreSQLのエコシステムをあらためて考える
商用データベースから、OSSデータベース「MySQL」か「PostgreSQL」に切り替える企業が増えています。「MySQL」か「PostgreSQL」のどちらがよいのか。両者はエコシステムの観点でうまくバランスが取れているようです。今回はあらためて、両者の違いとそのエコシステムを支えているパートナー企業を確認しましょう。 - 「PostgreSQL 9.6」正式版が公開
オープンソースデータベース「PostgreSQL」の最新版となる「PostgreSQL 9.6」が公開された。 - 富士通、PostgreSQLベースのOSSデータベース「Enterprise Postgres」をリリース
富士通が、データベース管理システム「FUJITSU Software Enterprise Postgres」をリリースする。OSSデータベースの「PostgreSQL」をベースに、法人向けサポートの他、セキュリティ、処理性能、信頼性向上に関する同社の技術を含めて展開する。 - SI企業が集まってノウハウ共有なんて本当にできるの? PGECの活動から
OSSの精神でノウハウ共有なんて、可能? そんな不安から始まったPGEC。現在の状況を聞いた。