富士通とVMwareが協業を強化 K5上でVMware Cloud Foundationを提供:既存のK5サービスとの組み合わせも可能
富士通とVMwareがクラウド分野の協業をグローバル規模で拡大する。富士通のクラウドサービス上でVMwareのクラウドソリューションを提供し、オンプレミスからクラウドへの移行を支援するサービスも提供する。
富士通とVMwareは2017年8月29日、クラウド分野の協業をグローバル規模で拡大すると発表した。2017年第4四半期(2018年1月〜3月)から、VMwareのクラウドプラットフォーム「VMware Cloud Foundation」を富士通のクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5(以下、K5)」の一環として提供する。
VMware Cloud Foundationは、サーバ仮想化の「VMware vSphere」、ストレージ仮想化の「VMware vSAN」、ネットワーク仮想化およびセキュリティ対策の「VMware NSX」で構成されるSDDC(Software-Defined Data Center)型クラウドプラットフォーム。富士通がこれらをK5上のサービスとして提供することで、既存のオンプレミス資産のクラウド移行や、オンプレミスとクラウドを組み合わせたハイブリッド環境を構築するハードルを低くし、企業のデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)を促進させるのが狙い。例えば「オンプレミスで運用しているVMware環境を、システム環境の変更などに伴うリスクを抑えながらクラウド環境へ移行したい」といった企業の需要に応え、仮想化環境のシステム検証やK5への移行に関するサポートサービスなども提供する。
また、K5で既に提供している、OpenStackベースのIaaS(Infrastructure as a Service)、Cloud FoundryベースのPaaS(Platform as a Service)、IoT(Internet of Things)基盤やAI(Artificial Intelligence:人工知能)基盤なども含めて、サービスとして選択できるようにする。大規模企業向けにも、富士通のプライベートクラウドシステム向け垂直統合型仮想化クラウド基盤「FUJITSU Integrated System PRIMEFLEX」とVMwareの仮想化技術を組み合わせることで、オンプレミスとクラウドをシームレスにつないだハイブリッド環境の構築も迅速に実現可能だとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 富士通の新クラウドサービス「K5」はOpenStackベース、だがそれだけではない
富士通は2015年11月10日、クラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5」に関連して、ヴイエムウェアとの協業を発表した。K5はOpenStackベースだったはずなのに、VMware vSphereを活用していくというように読める。なぜなのだろうか。 - 富士通のクラウドサービスは海外勢と渡り合えるか
2015年12月に新たなクラウドサービス「K5」の提供を開始した富士通。2016年4月からはグローバル展開にも注力する構えだ。同市場で先行するアマゾンやマイクロソフトなどの海外勢と果たして渡り合っていけるのだろうか。 - [速報]VMware Cloud on AWS、とうとうサービスを一般提供開始
Amazon Web Services(AWS)のファシリティ、サーバを活用してVMwareが自社のサービスとして提供する「VMware Cloud on AWS(以下、VMC on AWS)」が、2017年8月28日(米国時間)、とうとうサービスインした。当初利用可能なリージョンは米国西部(オレゴン)のみ。「2018年にかけて、世界中のAWSリージョンに展開する」という。 - [速報]PivotalとVMware、Kubernetesプラットフォームソフトウェアを発表
PivotalとVMwareは2017年08月29日(米国時間)、Googleとの協業に基づき、Kubernetesを採用したコンテナアプリケーションプラットフォームソフトウェアを発表した。Google Container Engineとの互換性も大きな特徴。