「AIの過失責任は“メーカー側”が負うべき」約半数が回答 「早期の法整備」も求められる:ジャストシステムの意識調査
AIによる過失は「誰」に責任があるのか。ジャストシステムが2018年7月に行ったAIに関するユーザー意識調査の結果を公表した。
ジャストシステムが運営するマーケティングリサーチ情報サイト「Marketing Research Camp」は2017年8月30日、ユーザー意識調査「人工知能(AI)&ロボット月次定点調査(2017年7月度)」の結果を公表した。
同調査は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)を用いた技術が実用化されつつある中で、自律動作したAIが起こした過失責任や法整備、将来展望などについてどう考えているのかを聞いたもの。2017年7月28日から7月31日に、15〜69歳のネットリサーチサービス「Fastask」利用者男女1100人を対象に実施された。
AIの認知度は、「言葉の意味を知っており、どんなことができるのかもある程度説明できる」が33.6%、「言葉の意味は知っている。ただし、具体的に何ができるのかは分からない」は39.5%、「言葉を聞いたことはある」は18.8%と、単語そのものはおおむね認知されていることが分かった。
続いて「自分の仕事がAIに置き換わると思うか」の問いでは、28.8%が「置き換わらない」と考えていた一方で、7.2%が「全て置き換わると思う」、50.9%が「一部は置き換わると思う」と回答。このうち同調査では、行政書士、社会保険労務士、宅地建物取引士などの法律関連職の業務の一部がAIに置き換わるとの回答率が高かったとしている。
「AIの信頼性」の見解については回答がばらけた。AIによる分析や提案を「かなり信頼できる」「ある程度信頼できる」とした人が6割に達した半面、「あまり信頼できない」(21.9%)や「全く信頼できない」(3%)と考えている人も一定数いることが分かった。
最後に、自動運転車などを中心に「人の手を介さずに自律動作するAI」を利用して生じてしまった過失は、誰に責任があると考えているのか。同調査では「利用者側」が32.4%、「メーカー側」が48.5%となった。半数が「メーカーが過失責任を負うべき」と考えていることが分かった。これらを踏まえて、7割以上が「AIに対する法整備が必要」と考えていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- コネクテッドカーのハッキングは「誰」に責任があるのだろうか
コネクテッドカーにおけるセキュリティ対策の現状とは。セキュリティ企業 ESETの研究者が現状を解説しつつ、課題を投げかけた。 - 「AI」で業務自動化、経営層の9割が「5年以内に導入しなければ、この先業界リーダーにはなれない」と認識──アバナード調査
アバナードが「業務の自動化に関する企業実態調査」を発表。多くの経営層は「AIは、人から仕事を奪うものではなく、新しい働き方を提案するもの」と考えていることが分かった。 - 「自動運転レベル4」以上の自動車保険はどうあるべきか、損保ジャパン日本興亜と東大が共同研究
損保ジャパン日本興亜が東京大学が進める自動運転技術の研究に参画。レベル4以上の自動運転に対応した新たな損害保険商品の開発に向けた共同研究を実施する。 - 自動車向けソフトウェア開発で採用が進むOSSに潜む「大きな課題」とは
Black Duck Softwareが、自動車向けソフトウェアにおけるOSS活用の現状を調査したレポートを公開。OSSを利用した車載アプリケーションの開発は「セキュリティ対策」と「ライセンス違反」が大きな課題になるとし、実施すべき「5つのポイント」を提言した。