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「自動運転レベル4」以上の自動車保険はどうあるべきか、損保ジャパン日本興亜と東大が共同研究「クルマへの不正アクセスが原因の事故」などを保証する特約も2017年7月に開始

損保ジャパン日本興亜が東京大学が進める自動運転技術の研究に参画。レベル4以上の自動運転に対応した新たな損害保険商品の開発に向けた共同研究を実施する。

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 損害保険ジャパン日本興亜(以下、損保ジャパン日本興亜)は2017年6月22日、東京大学(情報理工学系研究科 加藤真平准教授の研究室)と共同研究契約を締結し、「レベル4以上の自動運転」に対応した新たな保険商品の研究開発を開始すると発表した。

 自動車の自動運転に関する技術開発が進む中、自動運転におけるユーザーニーズや課題も具体的に上がるようになってきている。損保ジャパン日本興亜が2017年2月に実施した「自動運転車の社会受容性および法的責任に関する意識調査」によると、約75%が自動運転者を利用したいと回答。ただし、その前提として「保険による補償があること」が挙げられている。自動運転時の事故は、運転における監視や対応の主体が運転者ではなくシステムになることから、誰にどのような責任があるのか、利用者の責任範囲などがまだ定まっていない現状がある。

 同社は2017年7月から、安全運転の監視、対応の主体が運転者から条件付きで“システム”になる「レベル3」までの自動運転に対応する自動車保険の特約「被害者救済費用特約」を新設する。契約する自動車の欠陥や不正アクセスなどによって事故が発生した場合などが対象になる。「THEクルマの保険(個人用自動車保険)」「SGP(一般自動車保険)」に新たに自動セットされ、追加保険料は発生しない。

photo 参考:自動運転レベルの定義(SAE J3016)(出典:「官民ITS構想・ロードマップ2017」)

 併せて「レベル4」以上の自動運転に対応する保険商品を開発するのが今回の共同研究の意図となる。レベル4の自動運転とは、米国自動車技術会(Society of Automotive Engineers:SAE)が定義したレベル0からレベル5までの自動運転レベルのうち、「高度運転自動化」と呼ばれるレベルになる。交通状況や速度、時間帯などが限られた領域で、作動継続が困難な場合でも運転者の応答を期待せず、システムが加減速や操舵、制動など全ての運転タスクを担う。さらに上のレベル5は「完全運転自動化」となり、領域を限定せず、システムが全ての運転タスクを実施する。レベル4以上は、仮にシステムの作動継続が困難な場合であっても「運転車や利用者が応答することは期待されない」と定義されている。

 このレベル4以上に対応する保険商品の開発には、事故発生時の法律上の賠償責任関係の整理に加えて社会的受容性の向上が必要であり、まだ多くの課題が残されているとしている。今回の東京大学との提携によって、レベル4以上の自動運転技術に関する実証実験に参画し、自動運転車に関する知見を獲得したい考えだ。主に、自動運転車固有のリスクと事故形態や、事故発生時のデータ解析による事故原因究明に関する研究を進めるという。

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