ExcelのIndirect関数は「参照の参照」ができて、お利口さんなんだ:エクセル親子ゲームで学ぶ“コンピュータっぽい考え方”(3)(2/2 ページ)
本連載では、書籍『子どもの“プログラミング的思考”をグングン伸ばす本』の中から、Excelの機能を使って作ったゲーム(VBAではない)を通じて、コンピュータがどう考えているのかを学べる章を厳選して転載する。「Excelの機能を使う」こと自体も「プログラミング」に通じていることを体感してほしい。今回は、Excelが持つ「座標」の概念(行と列)と「参照」の考え方について。
当たりだよ。確かにその通りだけど、その見慣れない英語は何なの?
セルの参照を取得する関数の名前だよ。引数(ひきすう)に指定した値をセル番地として解釈してくれるんだ。今回引数に指定したのは、『A1&B1』だね。これは、セルA1の値とセルB1の値を結合するという意味なんだよ。つまり『D1110』という値が作り出されるんだ
それで、セルD1110を参照した結果、そのセルに入力されている値が答えとして表示されているんだね
その通りだよ
エクセルってお利口さんなんだね
関数について
エクセルには約330の関数が用意されています。合計や平均を出す関数はよく使いますよね。
関数という言葉を聞くと何だか難しそうな印象を受けますが、実際は難しくありません。
関数は私たちに代わって面倒なことを即座に処理してくれる非常に便利な機能です。おかげで私たちは楽ができるのです。
関数には原則として引数(ひきすう)が必要になります。引数とは関数が答えを出すために必要な情報のことです。
たとえば、SUM関数(合計を出す関数です)の場合、引数に指定されている範囲の合計を答えとして出してくれます。引数がなければ、SUM関数は合計の出しようがありません。
つまり、私たちが引数に指定する情報を使って関数は答えを出してくれるのです。
関数の使い方
答えを出したいセルを選択します。そして数式バーの左にあるfxボタンをクリックします。
「関数の挿入」ダイアログボックスが表示されるので、使用したい関数を選択し、[OK]ボタンをクリックします。
引数を設定する画面に切り替わります。設定後[OK]ボタンをクリックするとセルに結果が表示されます。
INDIRECT関数
引数に指定した文字列への参照を取得する関数です。例えば、引数に"C2"と指定すると、セルC2を参照することができます。
セルB2に「C2」と入力しておけば、=INDIRECT(B2)は、セルC2を参照し、セルC2の値を表示します。何だかややこしくなってきましたね。
さらに少しひねりますよ。セルA2には「C」と、セルB2には「2」と入力されています。この2つのセルを使って「C2」という文字を作り出すことができます。
「A2&B2」と書けばいいのです。&は「アンパサンド」と読みます。&の左右の文字をくっつけるという意味の記号です。
そこで、=INDIRECT(A2&B2)と設定すれば、やはりセルC2の値が表示されます。
書籍紹介
子どもの“プログラミング的思考”をグングン伸ばす本
横山達大著
秀和システム 1,700円
お父さん、お子さんを頭のいい子に育てたいなら、小学生の今がチャンスです! 本書は、お父さんが仕事に使う表計算ソフトのエクセルを使って、お子さんを「頭のいい子」に育てる子供向けプログラミング思考育成の入門書です。エクセルを使った12種類のゲームで、親子で楽しくプログラミング的思考を学び、考えることや、プログラミングの楽しさを体験しましょう! エクセルゲームの無料サンプルダウンロードサービス付き。
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