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Microsoft、「量子コンピュータ」向けプログラミング言語とシミュレーターを公開Microsoft Ignite発表まとめ Microsoft 365の強化、Linux対応SQL Server正式版など(2/2 ページ)

Microsoftが法人顧客向け年次イベント「Microsoft Ignite」で多数の新世代技術や新サービスを発表。クラウド、AI、MRといった技術を用いて顧客のビジネスを積極支援していく方針を示し、量子コンピュータ関連の研究開発の取り組みや、法人向けの広範な製品やサービスの新展開も発表した。

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ビジネスアプリケーションとプロセスのモダナイズ

 業務向けSaaS(Software as a Service)「Microsoft Dynamics 365」は、AI関連技術の活用範囲を広げ、機能が大きく拡張される。

photo Microsoft Igniteで登壇したサティア・ナデラCEO

Microsoft Dynamics 365 AIソリューションを展開

 Microsoft Dynamics 365は、「AIソリューション」として、高付加価値の複雑なエンタープライズシナリオに対応し、既存のプロセスやシステム、データに適合するように設計されたエディションを用意する。「Microsoft AI」をベースに、AIを用いて特定の機能を強化できる。

 第1弾は、顧客ケアや顧客満足度の向上を目的にした「インテリジェントな仮想エージェント」と、顧客サービススタッフ向けの「インテリジェントアシスタント機能」「会話管理ツール」が提供される。

Dynamics 365のモジュラーアプリを提供

 既存システムのクラウド統合とともに、Dynamics 365、LinkedIn、Office 365のワークフローと分析機能を強化するためのモジュラーアプリを提供していく。

 第1弾は「Attract」と「Onboard」を用意。これらは、最も有望な候補者の採用を支援し、またパーソナライズされた採用プロセスの構築を容易にするという。両アプリは、2017年末までにDynamics 365 for Talentの機能として利用可能になる。

PowerApps、Microsoft Flowとの統合を強化

 「InfoPath」のフォーム、「Microsoft Access」のデータベース、「SharePoint」になじみのある現ビジネスユーザーが、「PowerApps」と「Microsoft Flow」を使用して、ビジネスプロセスの拡張と自動化のためのアプリを構築できるようになる。

エンタープライズクラウドの進化

 クラウドプラットフォームの「Microsoft Azure」は、オンプレミスでもクラウドでも一貫したデータ、アプリ、インフラを提供するハイブリッドクラウドのアプローチにより、「新たなレベルの組織の生産性、インテリジェントなデータドリブン、ビジネスの信頼性の強化を推進する」とMicrosoftは述べている。

OEMパートナーによる「Azure Stack」の提供

 Azure Stackが、Dell EMC、HPE、LenovoなどのOEMパートナーからも提供されることになる。Azureの拡張機能であるAzure Stackは、顧客のデータセンターへ置くことで、セキュリティ性を確保しながらも、パブリッククラウドのAzureとまったく同じAPI、ツール、操作性でアプリやサービスを展開できる。

「SQL Server 2017」の一般提供開始

 Linux、Docker、Windows上での実行に対応する「Microsoft SQL Server 2017」の一般提供が開始される。

 SQL Server 2017はクラウドでもオンプレミスでも利用可能。また、WindowsプラットフォームだけでなくLinuxとDockerコンテナにも新たに対応した。開発者は、自身の好きな言語と環境を使用してインテリジェントなアプリケーションを構築でき、高レベルのパフォーマンスとデータセキュリティを実現し、さらに生産性を向上させられるようになる。

「Database Migration Service」「SQL DB Managed Instance」の提供

 完全に自動化されたデータベースの移行サービス「Database Migration Service」などを提供する。オンプレミスで展開していたSQL Serverデータベースは、Azure SQL Databaseへ容易に移行できる。

「SQL Data Warehouse」の新階層

 SQL Data Warehouseは、コンピュート性能に最適化された階層を提供するように改善され、クラウド内でのアナリティクス性能が大幅に向上した。この新階層によってスケーラビリティも向上しており、最大3万コンピュートのData Warehouse Unitがサポートされる。この機能は2017年秋にプレビューが提供される。

SQL Server向けの割引料金を提供

 SQL Server 2017向けに「Azure Hybrid Benefit」と呼ばれる割引料金プランを用意する。Azure Hybrid Benefitは、Windows Server仮想マシンの価格を最大で40%割り引くもの。既存のソフトウェア アシュアランス(SA)付きのオンプレミスWindows Serverライセンスを活用できる。

旧Cloudynの「Azure Cost Management」サービスを提供

 Microsoftが買収したCloudynのコスト管理ツールを統合し、「Azure Cost Management」として展開する。Azure Cost Managementでは、マルチクラウド環境を把握できる単一の統合ビューを通じて、クラウドを含めたITコストの管理と最適化を支援する。顧客やパートナー向けにサービスは無料で提供される。

「Azureセキュリティセンター」に新機能

 デプロイされたAzureリソースのセキュリティ状態を監視し、セキュリティ上の不適切な構成を推奨事項として報告し、問題への対処を促すサービス「Azureセキュリティセンター」に新たな統合セキュリティ機能が提供される。具体的には「脆弱(ぜいじゃく)性の削減」「脅威からの保護の強化」「ハイブリッドなワークロード保護の拡張」の各機能が拡充される。

「Azure Machine Learning」のアップデートのプレビューを公開

 AI分野の開発者とデータサイエンティスト向けに、クラウド、オンプレミス、エッジで機械学習やAIのモデルを開発し、管理できる新しいツール群が提供される。

 これらは、広く普及したオープンソースのフレームワーク、ツール、ランタイムに対応しており、AI分野の開発者やデータサイエンティストの生産性向上に役立つとしている。

「Azure CosmosDB」と「Azure Functions」の統合

 マルチモデル対応のNoSQLサービス「Azure CosmosDB」のパワーを、サーバレスサービス「Azure Functions」と組み合わせて提供する新サービスを開始する。

 開発者は数行のコードを書くだけでアプリを開発でき、IoT(Internet of Things)センサー、データベース変更などの“イベント”に対応するイノベーションをより迅速に実現できるようになる。

「Microsoft Cognitive Services」のアップデート

 「Microsoft Cognitive Services」は、開発者が簡単にAI機能を自身が開発するアプリケーションへ追加できるようにするAPI(Application Programming Interface)群。今回のアップデートでは、ネガポジ(Sentiment)分析、キーフレーズ抽出、文章の言語検知などを行うクラウドベース言語処理サービス「Text Analytics」が追加される。

 なお2017年10月には、カスタム検索が可能な「Bing Custom Search」を軸にした関連性の高い検索性能を実現し、オートサジェストとスペルチェック機能も追加された「Bing Search v7」の一般提供も開始される。

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