IoT野球ボール「Technical Pitch」が登場:野球を取り巻く環境をITで変化させる
硬式野球ボール型のIoT製品が登場する。ボールの中に各種センサーを埋め込み、球速や回転数、回転軸、球種、変化量、腕の振りの強さなどを計測できる。玩具用途だけでなく、得られたデータを生かした選手育成やスカウト業務の支援など、スポーツ業界の支援や発展にITを役立てる。
スマートデバイス向けソリューション開発を行うアクロディアは2017年9月25日、アルプス電気の協力を得て、硬式野球ボール型のIoT(Internet of Things)製品「Technical Pitch」を開発したと発表した。
Technical Pitchは、3軸加速度センサーと3軸地磁気センサー、3軸角速度センサーを内蔵。ボール本体の重量や固さ、素材は硬式野球ボールと同じとした。球速や回転数、回転軸、球種、変化量、腕の振りの強さなどを計測でき、ボールを投げると投球情報がBluetooth通信でスマートフォンへ転送され、専用アプリで計測結果を確認できる。今後、蓄積したデータを解析するサービスの提供も予定する。
アクロディアは「Technical Pitchは、野球を取り巻く環境をITで変化させるさまざまな可能性を秘めている」と述べる。実データを生かした選手トレーニング用途の他に、スカウト担当者が採用予定の選手を評価する際の利用なども想定。すでにプロ球団からの引き合いもあるとしている。
特別企画:IoT アーキテクチャカタログ
グローバルでデジタルトランスフォーメーションが進む中、国内でもIoTに取り組む企業が急速に増加している。だが成功事例が着実に増えつつある半面、大方の企業にとってIoTはまだ高いハードルであるようだ。特別企画「IoT アーキテクチャカタログ」ではそうした国内企業の実態を基に、ハードルを乗り越え実践に乗り出すための情報を包括的に提供していく。
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