Microsoft、オープンソース団体「Open Source Initiative」に参加:OSSの使用と提供の役割をさらに拡大させる意向
Microsoftがオープンソース団体「Open Source Initiative」にプレミアムスポンサーとして参加する。今後、オープンソースコミュニティーとの関わりをさらに広げ、深め、OSIの活動をサポートしていくと方針を示した。
Microsoftは2017年9月26日(米国時間)、世界規模の非営利オープンソースソフトウェア(OSS)普及団体「Open Source Initiative(以下、OSI)」にプレミアムスポンサーとして参加すると発表した。
MicrosoftのOSIとの関わりは2005年の「Microsoft Community License」の提出にさかのぼる。Microsoftは2007年にも「Microsoft Permissive License」を提出し、2014年には.NETをオープンソースライセンスとして公開した。
「OSSコミュニティーの多くの人にとっては、Microsoftが2014年に.NETをオープンソースライセンスで公開したことが同社のOSSへの取り組みに注目するきっかけになったかもしれない。Microsoftは現在、ユーザー、コントリビューター、クリエーターとして、オープンソースプロジェクトとコミュニティーへの参加を積極的に拡大している。最近も、『Visual Studio Code』や『TypeScript』といったオープンソース製品を公開している」とOSIは述べている。
Microsoftは、OSIのコーポレートスポンサーでもあるGitHub上のオープンソースソフトウェアプロジェクトにおいて、コントリビューターとして既に多くの実績を挙げている。例えば、BashをWindows 10上で利用できるようにした「Bash on Ubuntu on Windows」の他、Microsoft AzureでLinuxを始めとするOSSワークロードのサポートを充実させている。
この他、OSIのアフィリエイトメンバーであるFreeBSD Foundation、OSIのアフィリエイトメンバーであるLinux Foundationとそのプロジェクト、Canonical、Red Hat、SUSEといった企業などとも協業を進めており、2017年9月現在、Microsoft製品の至るところでオープンソース技術が見られるようにもなっている。
OSIのゼネラルマネジャーでボードディレクターも務めるパトリック・マッソン氏は、「プレミアムスポンサーとしてのMicrosoftのOSIへの参加は、OSIとOSS運動にとって重要なマイルストーンになる。OSSの成熟、実用性、関心度向上、成功にこの上ない価値をもたらす」と述べている。
Microsoftのオープンソースプログラムオフィス担当ディレクターを務めるジェフ・マカファー氏は、「OSIの取り組みは、ソフトウェア業界における主要要素としてのOSSの進化とこの先の成功に不可欠なものと位置付けている。Microsoftは今後、オープンソースコミュニティーとの関わりをさらに広げ、そして深め、OSIの活動をサポートしていく」と今後の方針を語った。
OSIのプレミアムスポンサーには、2017年9月現在、Facebook、Google、HPE、IBMなど15社が名を連ねている。
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