Windows 10のWindows Updateでまたもやトラブル――CBB、お前もか……:山市良のうぃんどうず日記(112)(1/2 ページ)
2017年10月にリリースされ、Windows Updateによる段階的な配布が開始された「Windows 10 Fall Creators Update バージョン1709(ビルド16299)」ですが、このリリースはWindows 10 Homeおよび既定の更新チャネルで運用しているWindows 10 Pro向けのもの。ビジネス向けのリリースは年が明けてからのはずでしたが……。
CBBにもバージョン1709がやってきた! って、なんでやねん
Windows 10の新バージョンは3月ごろと9月ごろに、まず「Current Branch(CB)」向けにリリースされ、そのおおむね4カ月後に「Current Branch for Business(CBB)」向けにリリースされるという方針が2017年の春に固まりました。
そして、2017年10月にリリースされた「Windows 10 Fall Creators Update バージョン1709」からは、CBとCBBの名称が、それぞれ「半期チャネル(ターゲット指定)」と「半期チャネル」に変更されました(公式にはWindows 10 バージョン1703のCBB向けリリースから「半期チャネル」と呼ばれていますが、Windows 10 バージョン1703のGUIではCBBのままです)。
以下の本連載の記事で書いたように、筆者は今、環境的にもタイミング的に非常に都合が悪いので、複数台ある物理PCのうち、Windows 10 Pro バージョン1703を実行している仕事用のメインPCについてはCBBに設定し、Windows 10 バージョン1709が自動配布されるのを延期していました。おそらくCBB向けのリリースが宣言されるのは2018年2月ごろになるはずなので、それまでに都合の良いタイミングで更新(アップグレード)しようと備えたわけです。
しかし、2017年11月の定例のWindows Updateで目を疑うことになりました(話は逸れますが、11月は定例のWindows Updateが第二水曜日ではなく、第二火曜日の翌日であるということを示す月でした)。
手動で更新チェックを開始し、しばらくして戻ってみると、利用可能な更新プログラムの中に「Windows 10、バージョン1709の機能更新プログラム」があるではないですか(画面1)。慌てて「詳細オプション」を確認してみましたが、ちゃんとCBBに設定されています。
既にダウンロードが始まっていたようなので、都合が非常に悪いことには変わりませんが、そのPCで作業をしながら、そのまま更新を進めることにしました。本連載では何度も指摘してきたように、Windows Updateの途中で再起動すると、シャットダウンや再起動がなかなか進まなかったり、その後の更新が失敗したりする可能性が高くなります。その日の仕事は、ネットワークが遅く感じる、PCが重く感じる状態だったのは言うまでもありません。そして、夕方に更新のために再起動を開始したところ、2時間以上、PCが使えない状態になってしまいました。
メインPCを更新中、別の仮想環境にあった、CBB構成のWindows 10 Pro バージョン1703(検証用仮想マシン)でもWindows Updateを実行してみました。すると、やっぱり「Windows 10、バージョン1709の機能更新プログラム」が検出されてしまいます(画面2)。しかし、チェックポイントでロールバックしてから、もう一度Windows Updateを実行すると、今度は検出されません。さらにもう一度、ロールバックしてからやってみると、また検出されます。もう、何が何だか、意味が分かりません。
SNSやユーザーフォーラムを探してみると、同様の現象に遭遇したユーザーがちらほらいるようです。そして、2017年11月の第4週には、以下のサポート技術情報の「この更新プログラムの既知の問題」にこの問題が追記されました(画面3)。最新情報は、英語のオリジナルページ(URLの「ja-jp」部分を「en-us」に置き換える)で確認することをお勧めします。
- 2017年11月15日─KB4048954(OSビルド15063.726および15063.728)(Windowsのサポート)
更新プログラムのリリースから1週間後に「既知の問題」に追加されても、もう遅いのです。更新を配布したときは「未知の問題」だったわけですから。「新たな問題」という表現にしてはいかがでしょうか。あと数日間はロールバック機能が使えますが、元に戻すのにも時間がかかりますし、成功するかどうかも不安です。そして、今は都合が悪いのです。
CBBで運用しているのは「より安定したビルドになるまで待ちたい」「アプリケーションの互換性テストがまだ終わっていない」「マルウェア対策ソフトの対応待ち」など、さまざまな理由で“意図してCBBを選択している”はずです。まさしく今回のような問題を回避するためにCBBを選択しているわけですが、そのCBBをアップグレードしてしまうというのは、本当に重大なミスだと思います。ちょっと笑ってしまいます。
こっそり「既知の問題」を追加するのではなく(「こっそり」とは、更新日付が当該ページに見当たらないので)、ちゃんと対応方法(どうすれば今後更新されないか、ロールバックする方法は、など)を示すなどしてほしいものです。
本当に更新プログラム「KB4048954」が犯人なのか?
ところで、1つ気になることがあります。この問題は2017年11月の累積的な更新プログラムである「KB4048954」の既知の問題に付け加えられたわけですが、本当にこの更新プログラムが真犯人なのでしょうか。
なぜかというと、前出の画面1を見ると分かるように、2017年11月15日に手動で更新を開始したとき、“同時に検出された”からです。ダウンロードを開始するときに既に「Windows 10、バージョン1709の機能更新プログラム」も検出されていたわけですから、まだ「KB4048954」はダウンロードもインストールもされていません。なんとなく“「KB4048954」のページに書いてみた”、なんてわけないですよね。でも、特にWindows Updateに関しては、全て疑ってかかった方がよいような気がしてきました。
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