Red Hat、最新のIaaSプラットフォーム「Red Hat OpenStack Platform 12」を発表:サービスをコンテナ化し、セキュリティを強化
Red Hatは、IaaS向けプラットフォームの最新版「Red Hat OpenStack Platform 12」を発表した。サービスをコンテナ化した他、柔軟性やセキュリティを改善し、新たな拡張機能も備えた。
Red Hatは2017年11月6日、IaaS(Infrastructure as a Service)向けプラットフォームの最新版「Red Hat OpenStack Platform 12」を発表した。OpenStackの16番目のリリースとなる「Pike」を基に開発され、サービスをコンテナ化し柔軟性を改善した。同製品は、「Red Hat Cloud Infrastructure」および「Red Hat Cloud Suite」ソリューションのコンポーネントとして、Red Hatカスタマーポータルから近日中に公開される予定。
(なお、本稿はレッドハット日本法人が2017年12月5日に公開したニュースリリースを基にしている)
Red Hat OpenStack Platform 12は、新たにOpenStackサービスのコンテナ化を導入した。これにより、アップグレードやロールバック、サービス管理の柔軟性が高まり、運用者によるクラウド管理の負担を軽減するという。Linuxコンテナを活用することで、OpenStackサービスのスケール変更も容易になる。なお、同製品は、コンテナ化されたネットワークとストレージを「Technology Preview」として実装する。
DCI(Distributed Continuous Integration)をアップグレードしたことで、データのコンプライアンス確保やリスク管理など、セキュリティ機能も拡充した。「自動インフラ登録サービス」は、組織のセキュリティを高め、ライフサイクル管理を自動化し、セキュリティ証明時の効率を改善する。「Block Storageサービス(Cinder)」や「Bare Metal Provisioningサービス(Ironic)」といったOpenStackのコンポーネントにも、ボリューム暗号化やディスクパーティショニング拡張機能が追加された。
「Red Hat OpenStack Platform 10」以来の機能であり、コンピュートノードやストレージ、ネットワークなどから必要に応じてリソースを取り出し、システムを構築できる「コンポーザブルサービス」も機能が強化された。Red Hat OpenStack Platform 12では、運用管理者が、個々のニーズに合わせてカスタマイズした個別サービスとプロセスのプロファイルを作成できる。
また、新たなネットワーク機能では、あらかじめ定義されたネットワークトポロジーを選ぶ形式だった従来製品に代わり、必要なネットワークトポロジーが定義可能になった。サーバ管理に向けて、Distributed Management Task Force(DMTF)が定めた「Redfish API」に対応し、Technology Previewとしての提供ながら、Linux Foundationが開発しているSDN(Software Defined Network)コントローラー「OpenDaylight」も搭載した。
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