Windowsのプライバシー機能強化へ――Microsoft、診断データ閲覧、操作ツール「Windows Diagnostic Data Viewer」発表:ユーザーによるプライバシーデータ管理の第一歩
Microsoftは、Windowsのプライバシー機能強化に向けて、Windows 10の次期版で、「Windows Diagnostic Data Viewer」を提供する。同ツールは、診断データの閲覧や検索、操作が可能。まずは、「Windows 10 Insider Preview」で提供開始する。
Microsoftは2018年1月26日、同社の公式ブログで、Windowsのプライバシー機能強化の一環として、Windows 10の次期版で「Windows Diagnostic Data Viewer」を提供することを明らかにした。「Windows 10 Insider Preview」で、同ツールの提供を開始する。
Windows Diagnostic Data Viewerは、Windowsの開発に役立てるためにMicrosoftに送信される診断データの透明性を確保するツール。
従来、ユーザーは、診断データとして送られる情報の内容を確認できなかった。同ツールは、「OSの名称」と「バージョン」「デバイスID」「デバイスクラス」「デバイスの属性と機能」「設定」「周辺機器」「デバイスネットワークの情報」など、詳細なデータの閲覧や検索、操作を可能にする。
また、Microsoftは、Microsoftアカウントに関連したデータの閲覧や管理を行うための「Microsoft Privacy Dashboard」をアップデートし、今後数カ月間に以下の新機能を追加することも明らかにした。
- Activity Historyページ上での、製品やサービスの使用履歴データと、メディア視聴データの閲覧と管理
- ダッシュボード上のデータのエクスポート
- 特定項目の削除による個別コントロールの強化
MicrosoftでWDGプライバシー担当役員を務めるマリサ・ロジャーズ氏は、「Windows 10を安全なOSとする上で、ユーザーデータのプライバシー確保は最も重要だ。OS内のプライバシー関連制御機能と透明性の強化、基本レベルで収集する診断データの完全なリストの提供、Microsoft Privacy Dashboardやその他の機能強化など、当社は複数のサービスを横断してユーザー行動データを容易に検索・管理するための機能を提供する」としている。
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