IoTとLPWAネットワークで患者のバイタルサインを収集 最適な医療を提供――名大病院、シスコが実証研究へ
ICTの活用による医療サービスの向上を目指して「スマートホスピタル構想」を進める名古屋大学医学部附属病院(名大病院)は、シスコシステムズと共同でIoTデバイスとLPWA(Low Power Wide Area)ネットワークを活用した、医療現場のIoT化に関する実証研究を開始した。
シスコシステムズは2018年2月13日、名古屋大学医学部附属病院(名大病院)が同月に開始する医療現場のIoT化の実証研究で協力していくと発表した。
今回の実証研究は、ICTの活用による医療サービスの向上を目指す名大病院の「スマートホスピタル構想」の一環として実施。IoTデバイスとLPWA(Low Power Wide Area)ネットワークを活用して、院内における臨床ワークフローの最適化、業務の効率化、医療サービスなどの向上を目指した検証を行う。同時に、地域医療連携による医療サービスモデルの早期確立と展開に向けた実証も行う。
実証研究では、名大病院の医療従事者と入院患者の双方がIoTデバイスを身に着け、医療従事者の業務プロセスや、患者のバイタルサイン情報(脈拍、呼吸、活動量など)を高精度に収集、記録、集約して医療従事者のワークフローを可視化することで、医療従事者の適正な人員配置や、異常時対応の迅速化などを目指す。将来的には、患者が使用中の医療デバイスをリアルタイムに遠隔監視することで、状態の変化を迅速に把握、対応していくことを構想しているという。
また、地域医療の実証実験は、愛知県の奥三河地区で実施。在宅または介護施設などに入居する患者にウェアラブルデバイスを着けてもらい、バイタルサインや運動量などのデータをリアルタイムに取得して生活指導に役立てるといった、パーソナライズ化された医療サービスの実現に向けた有効性を検証する。
LPWAネットワーク基盤にはシスコの「LoRaWAN向け シスコ ワイヤレス ゲートウェイ」を採用し、低電力で長距離の伝送を必要とするIoTデバイスのワイヤレス接続環境を構築。IoTデバイスからの情報収集には、同ゲートウェイのGPS/GNSS機能を備えた高精度の位置情報機能を活用する。
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