IBM、データサイエンスおよび機械学習プラットフォーム「Cloud Private for Data」と無料でAIコンサルティングを行う新チームを発表:AIをビジネスに不可欠な存在に
米IBMは、新しいデータサイエンスおよび機械学習プラットフォーム「IBM Cloud Private for Data」と、企業のAIへの取り組みのスピードアップを支援するコンサルティングチーム「Data Science Elite Team」を発表した。
企業が人工知能(AI)の活用によって競争優位獲得や生産性向上を目指す中、米IBMは2018年3月16日(米国時間)、新しいデータサイエンスおよび機械学習プラットフォームと、企業のAIへの取り組みのスピードアップを支援するコンサルティングチームを発表した。
新しい統合型プラットフォームの「IBM Cloud Private for Data」(以下、Cloud Private for Data)は、毎秒100万イベントのペースで膨大なデータを取り込んで分析できる高速インメモリデータベースを基盤に採用。データサイエンス、データエンジニアリング、アプリケーション開発に使用できる。企業がデータからこれまで得られなかった洞察を発見できるように支援することが目的だ。ユーザーがIoT(Internet of Things)センサーやオンライン商取引、モバイルデバイスなどから収集された大量データを分析するためのイベントドリブンアプリケーションを開発し、活用できるように設計されている。
Cloud Private for Dataは、プライベートクラウドプラットフォーム「IBM Cloud Private」上でオープンソースコンテナソフトウェア「Kubernetes」にデプロイされ、同プラットフォームのアプリケーションレイヤーを担う。デプロイは数分で完了するという。将来的には全てのクラウドで動作し、金融、ヘルスケア、製造といった特定業種向けソリューションとしても提供されるようになるという。
また、Cloud Private for Dataは、IBMの「Data Science Experience」「Information Analyzer」「Information Governance Catalogue」「Data Stage」「Db2」「Db2 Warehouse」の主要機能を提供する。密接に連携するこれらの機能は、Cloud Private for Dataユーザーが、基幹ビジネスデータを保護、制御しながら、これらのデータから迅速に洞察を発見できるように設計されている。「この新ソリューションは、ファイアウォールの背後でAIのデータインフラレイヤーを提供する」とIBMは述べている。
一方、新設されたコンサルティングチーム「Data Science Elite Team」(データサイエンスエリートチーム)は、顧客が抱えるデータサイエンス課題の解決や、顧客が進めるAIへの取り組みなどの支援に特化して無料でコンサルティングを行う。
新しいコンサルティングチームは、IBMの全世界のデータサイエンティスト、機械学習エンジニア、意思決定最適化エンジニアで構成され、顧客がデータをより良く理解、管理し、ビジネスの不可欠な要素として機械学習を開始できるようにオンサイトで支援に当たる。
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