IBM、“Watson”が関与する初のサービス「IBM Services Platform with Watson」を発表:AIが潜在的な課題を予測し、特定し、自動改善する
IBMが、WatsonをベースにITインフラの構築・運用を支援するクラウド型サービスプラットフォーム「IBM Services Platform with Watson」を発表した。
IBMは2017年7月12日(米国時間)、同社のコグニティブ技術「IBM Watson」をベースに、同社のクラウド基盤「IBM Cloud」上に構築した初のサービスプラットフォーム「IBM Services Platform with Watson」を発表した。
同社は、「めまぐるしく変化する今日の市場では、技術上の課題はビジネス上の課題となり、また、ビジネス上の課題は技術上の課題になる」との認識を示し、IBM Services Platform with Watsonは、「コグニティブ技術であるWatsonによって、ITサービスの改善を支援し、専門家が価値の高いビジネス成果の実現に集中できるようにする」と説明している。
IBM Services Platform with Watsonは、オープンプラットフォームとして以下の4つの要素で構成される。
- IBMのデータレイク:IBMがこれまで銀行、航空、小売りなど、データ集約型業種向けに30年以上にわたってサービスを提供する中で蓄積してきたシステム運用データが整理され、格納されている。これは、2017年時点であらゆるオンライン小売業者のデータソースよりも大規模とされるが、顧客はこの強力な知見を利用できるようになる。
- Client Insights Dashboard(顧客洞察ダッシュボード):IT環境のリアルタイム分析と可視化が行える。IBM Services Platform with Watsonの下では、IT環境が継続的に学習し、自己改良を行うようになる。
- 一連の自動化サービス提供機能:IT環境の設計、管理、最適化など自動化する。反復的な作業から、従来は人の介在が必要だった複雑な作業までを自動化できるようにする。例えば、継続的コンプライアンス、自律的ガバナンス、セルフサービスおよび自動プロビジョニングが自動化の対象になる。
- IBM Watson:Watsonが、IBM Services Platformの洞察エンジンとして積極的に機能する。構造化・非構造化を問わず、あらゆるデータを取り込み、集約して分析し、洞察を生み出し、そして自動化をつかさどる。Watsonはハイブリッドクラウドインフラの全ての側面を管理できるように学習を積んでおり、この蓄積された情報に基づいて包括的な決定を行う。
IBM Services Platform with Watsonによって構築されたインフラは、潜在的な課題を予測し、それを特定して自己回復を行う。ビジネスが中断される可能性を軽減するとともに、安全性の高いIT環境へ強化するように設計できるという。IBM Services Platform with Watsonのアーリーアダプターとして、デンマーク最大の銀行であるダンスケ銀行が採用。また、IBM Services Platform with Watsonの上記の4つの要素は2017年現在、世界中の800社の顧客で既に利用されている。
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