ITを活用したまちづくりへ――エイムネクスト、宮崎県高鍋町でIoTを活用した畑の温湿度管理の試験運用を開始:今後は、高齢者の見守りや駐車場の空き状況モニタリングにも拡大予定
エイムネクストは、宮崎県高鍋町と包括連携協定を締結し、IoT技術を活用したインフラ構築や、ITを活用したまちづくりを推進する。まずはキャベツ畑の温湿度管理システムの試験運用を開始した。
エイムネクストは2018年4月2日、宮崎県高鍋町と包括連携協定を締結したと発表した。IoT(Internet of Things)技術を活用したインフラ構築や、ITを活用したまちづくりを共同で推進する。その一環として、農場で温湿度データの監視、管理の試験運用を開始する。
エイムネクストは、高鍋町にオフィスを設立した2017年10月以降、町内の企業や農家などと共同でITを活用したまちづくりを進めている。例えば、高鍋町全域を対象に、LPWA(Low Power Wide Area)を活用した、安価で簡単に使えるデータ収集のためのインフラを構築した。このインフラは、LPWAの1つである「LoRa」と自己発電(エネルギーハーベスティング)型無線通信技術「EnOcean」を組み合わせており、免許や工事が不要で、専門知識がなくてもすぐにデータを収集できる。
今回の協定では、キャベツ畑を対象に無線で温湿度などのデータを取得して、そのデータをWebアプリケーションで閲覧可能にするシステムを構築し、試験運用を開始した。今後は、2018年6月をめどに適用領域を拡大。同年10月には町内全域に展開し、各事業者に開放予定だ。
その後は、今回運用を開始したデータ収集、管理システムは、ビニールハウスなどのさまざまな場所に広げる予定だ。さらに利用対象も拡大し、高齢者をはじめとする居住者の見守り、駐車場やトイレの空き状況モニタリング、施設管理(観光施設の無人での入場者数管理)などにも利用するという。
エイムネクストで代表取締役社長を務める清威人氏は、「高鍋オフィス設立により、既に町の人材を活用した開発業務をスタートしている。今後、農家などと協力して独自の活動を計画している。IoTの活用により町の真の魅力を引き出し、地方の特性を生かし、人々を豊かにするビジネスモデルを作っていくことに貢献したい」と述べている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- GPS内蔵のIoTシューズで高齢者を見守り――フジクラなど4社が開発
フジクラなど4社は、位置情報取得機能を備えた靴から利用者の位置を検索する見守りシステムを開発した。GPSモジュールを内蔵しながら、履き心地にも配慮した。 - AI活用で臨床試験を効率化 新薬開発の時短や成功率向上を支援――田辺三菱製薬と日立が協業
田辺三菱製薬と日立製作所が、新薬開発における臨床試験全般の幅広い業務の効率化に向けた協業を開始。日立のIoTプラットフォーム「Lumada」やAI技術などを活用して、臨床試験の期間短縮と開発コスト削減、新薬開発の成功確率向上を目指す。 - 上司と部下の会話量や盛り上がりを可視化 会議の“質”を判定――村田製作所の「NAONA」、Phone Appliと共同実証へ
村田製作所とPhone Appliは、“場”の雰囲気や盛り上がり、親密度といったデジタル化が難しい情報を空間情報として可視化するIoTソリューション「仮想センサプラットフォーム NAONA」の実証実験を開始。Phone Appliの社内会議をNAONAで分析し、会議やコミュニケーションの“質”を可視化する。