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プロ野球ユニフォーム戦争の裏側 〜やはりユーザー体験が生命線〜久納と鉾木の「Think Big IT!」〜大きく考えよう〜(7)(3/3 ページ)

今回は、自社が持つコアコンピタンス(企画力やIT/ITサービスマネジメント)を結集させれば、思わぬ新規顧客開拓のポテンシャルがあるのではないか? という可能性を一緒に探ってみたい。

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あなたも十分、ディスラプターになれる

 ここで本連載の主役である「あなた」に話を移そう。

 マジェスティック社は、総合スポーツ用品メーカーではないにもかかわらず、プロ野球球団のユニフォームという市場に風穴を開けた。これは一見すると、より狭いスコープのコアサービスしか提供できないように見えがちな企業でも、潜在顧客のビジネスニーズとより密接に結び付けば、新規参入を実現できるという格好の例だ。

 本連載ではUberなどを題材に、新規参入してくるディスラプターにどう対抗するか? という議論にスペースを割いてきた。しかしこの例のように、自社のコアコンピタンスを冷静に分析し、それが潜在顧客の潜在的なビジネスニーズとのマッチングが図れれば、顧客が求める要件のスコープを自社に都合よく変更させ得ることも、ひいてはその業界でディスラプターになることだって十分に可能だということを「あなた」と一緒に確認したい。

 世の中そんな簡単にはいかないよ、という本音が聞こえてきそうだ。だが、今回もなるべく丁寧に述べたつもりだが、こういったアイデアのHowを議論し始めた途端に、ITとITサービスマネジメントの果たす役割がどれほど大きくなるかは既に納得されていると思う。IT部門こそ、こうしたビジネスイノベーションを主導すべきなのだ。そうした企業が今後どんどんと増えることを心から期待している。

 球春到来! 今年もプロ野球が開幕した(本連載の筆者二人はライオンズファン)。IT部門に従事する「あなた」が、想定される周囲の反対にも屈せず、ビジネスの地平を駆け抜け、“獅子”奮迅の働きをするところを見たい。4月は何かを始めるには良い季節だ。いざプレイボール!

著者プロフィール

久納 信之(くのう のぶゆき)

ServiceNow ソリューションコンサルティング本部 エバンジェリスト

米消費財メーカーP&Gにて長年、国内外のシステム構築、導入プロジェクト、ITオペレーションに従事。1999年からはITILを実践し、ITSMの標準化と効率化に取り組む。itSMF Japan設立に参画するとともにITIL書籍集の日本語化に協力。2004年からは日本ヒューレット・パッカード株式会社、その後、日本アイ・ビー・エム株式会社においてITSMコンサルタント、エバンジェリストとして活動後現在に至る。「デジタルビジネスイノベーション=サービスマネジメント!」が標語・座右の銘。EXIN ITILマネージャ認定試験採点を担当。著書として『アポロ13に学ぶITサービスマネジメント』『ITIL実践の鉄則』『ITILv3実装の要点』(全て技術評論社)などがある。

鉾木 敦司(ほこき あつし)

ServiceNow ビジネス推進担当部長

日本ヒューレット・パッカード株式会社に19年間勤務。顧客システム開発プロジェクト、ハードウェア・プリセールス、ソフトウェア・プリセールス、プリセールス・マネージャー、ソフトウェアビジネス開発に従事。2017年より現職。一男三女の父であり、30年後も多くの日本企業が世界中で大活躍する野望実現のため、サービスマネージメント・プラットフォームの重要性啓蒙活動にいそしむ。電気情報通信学会発表論文に『OSS市場と市販製品の動向-市場成熟度が製品シェアに与える影響』がある。


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