AWS、「Ethereum」や「Hyperledger Fabric」に対応した「AWS Blockchain Templates」を提供開始:コンテナとしてデプロイできる
AWSの新しい「AWS Blockchain Templates」では、安全なブロックチェーンネットワークを迅速かつ簡単に構築、デプロイできる。
Amazon Web Services(AWS)は2018年4月19日(米国時間)、オープンソースフレームワークを使ってブロックチェーンネットワークを構築、デプロイできる「AWS Blockchain Templates(ブロックチェーンテンプレート)」をリリースした。
ブロックチェーンは、信頼できる中央の認証局を必要とせずに、複数の当事者がトランザクションを記録し、トランザクションが検証済みで、安全であることを保障できるアプリケーションの構築を可能にする技術だ。ブロックチェーンは、P2Pネットワークを確立し、その各参加者が、トランザクションが記録された共有台帳にアクセスできるようにすることで、これを可能にしている。これらのトランザクションは設計に基づき、イミュータブル(不変)で、独立して検証できるようになっている。
AWS Blockchain Templatesでは、動作確認された「AWS CloudFormation」テンプレートを使って、オープンソースのブロックチェーンフレームワークである「Ethereum」や「Hyperledger Fabric」ベースのブロックチェーンネットワークを構築、デプロイできる。AWS Blockchain Templatesを使用すれば、ブロックチェーンネットワークを手動でセットアップすることに時間や手間を費やすことなく、ブロックチェーンアプリケーションの構築に集中できる。
AWS Blockchain Templatesは、ユーザーが選択したブロックチェーンフレームワークを、「Amazon Elastic Container Service(ECS)」クラスタ上にコンテナとしてデプロイするか、またはDockerが動作する「EC2」インスタンス上に直接デプロイする。ユーザーの「Amazon VPC」内にブロックチェーンネットワークが作成され、ユーザーはVPCのサブネットとネットワークアクセス制御リストを利用できる。「AWS IAM」を使って権限割り当てを行い、Amazon ECSクラスタやAmazon EC2インスタンスがアクセスできるリソースを制限することが可能だ。
AWSは、AWS Blockchain Templatesを使い始めるためのスタートページとドキュメントを提供している。AWS Blockchain Templatesを使用するのに追加料金はかからない。ブロックチェーンネットワークの運用に必要なAWSリソースのみが課金対象となる。ブロックチェーンネットワークは任意のパブリックAWSリージョンに作成、デプロイできる。
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