その成長は何のため?――「成長」に息苦しさやうっとうしさを感じたら:仕事が「つまんない」ままでいいの?(41)(4/4 ページ)
成長を追い求めることに、息切れしそうになることはありませんか。「成長!」「成長!」とあおり立てられることに、うっとうしさを感じることはありませんか。
その成長は、何のため?
最後に。
よく、「もっと成長したい!」という人がいます。成長するのはとてもすばらしいことです。でも、成長することでどうなりたいのだろう? 成長したらどうするのだろう? 成長したら、どんな未来が待っているのだろう?
「成長するのが正しい」と、何となく思ってはいないだろうか。「成長すること」が目的になっていないだろうか?
私は、成長は「目的」ではなく「手段」だと思います。
まだ見ぬ未来を「成長すれば、きっと良くなるはずだ!」「成長!」「成長!」と追い求めるのも悪くないかもしれませんが、それよりも大切なのは、今、目の前にある課題を乗り越えること、今、できることを増やすこと、今、周りの人が喜ぶことをやることではないでしょうか。
未来に向かって無理にジャンプしようとするよりも、地に足を付けて、今できることからやっていけば、できることが増えて自信も付くし、周りからも信頼されるでしょう。
そして、1年後、5年後、10年後――過去の自分を振り返ったときに、しみじみと思うでしょう。「あのときより成長したな」「あのときより少しはマシになったな」と。
筆者プロフィール
しごとのみらい理事長 竹内義晴
「仕事」の中で起こる問題を、コミュニケーションとコミュニティの力で解決するコミュニケーショントレーナー。企業研修や、コミュニケーション心理学のトレーニングを行う他、ビジネスパーソンのコーチング、カウンセリングに従事している。
著書「感情スイッチを切りかえれば、すべての仕事がうまくいく。(すばる舎)」「うまく伝わらない人のためのコミュニケーション改善マニュアル(秀和システム)」「職場がツライを変える会話のチカラ(こう書房)」「イラッとしたときのあたまとこころの整理術(ベストブック)」「『じぶん設計図』で人生を思いのままにデザインする。(秀和システム)」など。
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