「エンジニアは、リスクを取ることで成長する」――Red Hat技術部門のトップが語る「覚悟」:Go AbekawaのGo Global!〜Paul Cormier編(1/3 ページ)
高校生のころからエンジニアとして活躍し、現在、Red Hatで製品、テクノロジー部門を率いるPaul Cormier(ポール・コーミア)氏が、17年前にオープンソースソフトウェア(OSS)業界に自ら飛び込んだ理由と、エンジニアの成功に必要な姿勢について語る。
アップルやディズニーなどの外資系企業でマーケティングを担当し、グローバルでのビジネス展開に深い知見を持つ阿部川“Go”久広が、グローバルを股に掛けたキャリアを築いてきたIT業界の先輩にお話を伺うインタビューシリーズ。今回は「Red Hat(レッドハット)」の製品、テクノロジー部門を長年率いるPaul Cormier(ポール・コーミア)氏にご登場いただく。
Paul Cormier(ポール・コーミア)
Red Hat 製品、テクノロジー部門社長
高校生のころからDECでエンジニアとして働き始め、ロチェスター工科大学でソフトウェア開発および管理の修士号を取得。Netet起業後BindViewを経て、2001年、Red Hatに120番目の社員として入社。「RHEL(Red Hat Enterprise Linux)」など企業向け製品開発に貢献する。
Hortonworksの取締役も務める。
高校生のころからDECでエンジニアのキャリアをスタート
阿部川“Go”久広(以降、阿部川) 2001年にRed Hatに入社されて以降、テクノロジーをリードされてきたお話をぜひお伺いしたいのですが、その前に、まず学生時代のエピソードからお聞かせいただけますか。
Paul Cormier(以降、コーミア氏) 私はボストン郊外で生まれ育ち、今もボストンに住んでいます。実は、私は高校時代から「DEC(デック)」で働き始めたので、この業界はかなり長いんです。ざっと42年ぐらいでしょうか。最初は、Vaxis向けにマイクロコードを書く仕事をしていました。
阿部川 その後ロチェスター工科大学を卒業されたんですよね。
コーミア氏 DECで働きながら大学を卒業し、大学院まで行きました。今の状況からは信じられないでしょうが、当時は、きちんと学位を取得したエンジニアが、業界全体で不足していました。そのため、エンジニアが大学で勉強するのを企業が支援し、学費や学期中の給与を保障してくれたのです。そのシステムを使って、私は当時ロチェスター工科大に新設されたばかりのソフトウェア開発の修士過程を修了しました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 米レッドハットが目指してきた開発・運用環境が(ひととおりの)完成形に近づいた
米レッドハットは、2017年5月第1週に開催した年次カンファレンス「Red Hat Summit 2017」において、アプリケーション開発・運用関連で複数の大きな発表を行った。統合的なクラウドネイティブアプリ開発・運用環境の提供、企業における従来型アプリケーションのモダナイズ、エンタープライズJava開発者のクラウドネイティブな世界への移行といった課題への同社の回答が、ひととおりの完成形に近づいてきたと解釈できる。 - Red Hatの業績は、新世代アプリケーションプラットフォームの普及を示しているか
Red Hatにおける新興製品群の売り上げの伸びは、新世代のアプリケーションプラットフォームが普及しつつあることを示しているのか。来日したRed Hat CEOのジム・ホワイトハースト氏と、エグゼクティブバイスプレジデントで製品および技術担当プレジデントであるポール・コーミエ氏に聞いた。 - 米レッドハットがAnsibleを買収した理由を責任者に聞いた
Ansibleはなぜ、米レッドハットに買収されたのか。また、どう進化しようとしているのか。米レッドハットでAnsibleの買収を指揮した、米レッドハット管理製品事業部門の責任者であるJoe Fitzgerald氏に聞いた。 - Red Hat、最新のIaaSプラットフォーム「Red Hat OpenStack Platform 12」を発表
Red Hatは、IaaS向けプラットフォームの最新版「Red Hat OpenStack Platform 12」を発表した。サービスをコンテナ化した他、柔軟性やセキュリティを改善し、新たな拡張機能も備えた。 - レッドハット、コンテナプラットフォームの最新版「Red Hat OpenShift Container Platform 3.4」をリリース
レッドハットは、コンテナアプリケーションプラットフォームの最新版「Red Hat OpenShift Container Platform 3.4」を発表。Red Hat Customer Portalで公開された。