自動車界を開拓する「DeNA」が、カーシェアリングサービス「Anyca」で目指す未来:クルマがつながる、クルマでつながる(2/4 ページ)
自家用車のシェアリングサービス「Anyca」は、入社3年目の2人のエンジニアの発案から始まった。さまざまな業種とのコラボレーションで守備範囲を広げ続けている同サービスは、どのような体制でプロジェクトを回しているのだろうか。事業責任者とリードエンジニアにお話を伺った。
気分に応じてクルマを選びたい
珍しいクルマを所有して乗るのはハードルが高い。例えばオープンカーに乗ってみたいと思っても、実際に所有して日常的に使うには思い切りが必要だ。しかし、こうした車種をカーシェアリングサービスで乗れるのなら、乗ってみたい、試してみたいと思う人は多いだろう。
Anycaに登録されているクルマの中には、意外な車種もあるという。例えばクラシックカー。「お父さんが乗っていた1950年代のクルマをシェアして、親孝行をする人もいます」と馬場さんは説明する。他にも、車両後半をベッドに改造したハイエース、アニメキャラクターがペイントされたいわゆる「痛車」、人気が高い電気自動車のテスラ――Anycaは、こうした多様な車種を利用できる。
「カーシェアリングサービスなら、珍しいクルマにも乗れるし、買えるクルマに限定されることなく、乗りたいクルマに乗れるのです」と馬場さんは楽しそうに話す。
DeNAは会社として、自動運転の時代を見据えた事業開発を進め、無人運転車両を活用した新しい交通サービス「イージーライド」や、ヤマト運輸と組んだ次世代物流サービス「ロボネコヤマト」の実証実験を行っている。自動運転が一般に使えるようになる時代には、Anycaのサービス形態も進化するかもしれない。
馬場さんが考える、ここ3〜5年のAnycaの将来像は次のようになものだ。
「個々のドライバーの周りにバリエーションの異なるクルマが常にあり、その中からそのときのニーズや気分に応じてクルマを選べるようにしたい」(馬場さん)
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