40代のあなたへの質問「将来、どんな大人になりたいですか?」:仕事が「つまんない」ままでいいの?(42)(3/3 ページ)
若いころならつぶしがききます。けれども40代は違います。人生100年時代、これからの働き方、生き方を改めて考える必要があるのでは?
問題は「環境ではない」
最初は、会社の不満を話していたAさんでしたが、話が進むにつれて落ち着いてきたようです。そこで、「もし、何の制限もなく、何でもできるとしたらどうしたい?」と尋ねました。
するとAさんは「うーん」としばらく時間をおいたのち、「会社は辞めない」と答えました。「今の環境でできないことが、別の環境でできるとは思えない」「結局は、自分のスキルが未熟なだけ」「もっと業務スキルやチームをまとめるスキルがあれば、若い社員や上司に振り回されずに済むかもしれない」と。
会社に不満があるとき、普通なら会社のせいにしたくなるところです。けれどもAさんは違いました。
「結局は、環境が問題なのではないのでしょうね。今の会社で納得のいく仕事ができれば、きっと他の会社でも働けると思います。まずは、今の会社で納得のいく仕事をしていきたいです」
40代になって体力の衰えを感じます。でも、経験はあります。「若い世代が活動しやすいような環境を作ること」「よきメンターとなること」「客観的な視野で助言すること」など、経験を積んできたからこそ果たしていく役割もあると思います。
40代の私たちは今こそ、理想を描き直し、将来のために何をすべきかを考えて、動いていきたいと思うのです。
筆者プロフィール
しごとのみらい理事長 竹内義晴
「仕事」の中で起こる問題を、コミュニケーションとコミュニティの力で解決するコミュニケーショントレーナー。企業研修や、コミュニケーション心理学のトレーニングを行う他、ビジネスパーソンのコーチング、カウンセリングに従事している。
著書「感情スイッチを切りかえれば、すべての仕事がうまくいく。(すばる舎)」「うまく伝わらない人のためのコミュニケーション改善マニュアル(秀和システム)」「職場がツライを変える会話のチカラ(こう書房)」「イラッとしたときのあたまとこころの整理術(ベストブック)」「『じぶん設計図』で人生を思いのままにデザインする。(秀和システム)」など。
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