Google、最大約4TBメモリの「ultramem」マシンタイプを提供:インメモリデータベースなどに最適
Googleは、「Google Cloud Platform」のIaaS「Google Compute Engine」で、マシン名に「ultramem」を含む「メモリ最適化型マシンタイプ」の正式提供を開始した。最大160個の仮想CPUと約4TBのメモリを構成できる。
Googleは2018年7月18日(米国時間)、「Google Cloud Platform(GCP)」のIaaS「Google Compute Engine」で、メモリ容量を多く設定した「メモリ最適化型マシンタイプ」(memory-optimized machine types)の正式提供を開始したと発表した。いずれもマシン名に「ultramem」を含んでいる。
ultramem仮想マシン(VM)は、仮想CPUを最大160個、メモリ容量を同4TB近く(3844GB)に構成してプロビジョニングできる。この仮想CPU数は、パブリッククラウドでオンデマンドによってプロビジョニングできるものとしては最大だという。
ultramemマシンタイプは、GCPのマシンタイプの中で、VM当たりのリソースが最大だ。GCPのパフォーマンスと柔軟性を利用しながら、インメモリデータベース「SAP HANA」のようなメモリ集約型の本番ワークロードの実行に適していると、Googleは説明している。
Googleの顧客はこれまでもメモリ集約型ワークロードとして、インメモリデータベース、HPC(High Performance Computing)アプリケーション、分析ワークロードなどを利用してきた。
Googleは、2017年初めにSAPとの提携を発表して以来、Compute Engineの新しいメモリ集約型マシンタイプにより、SAP HANAのサポートを拡充している。さらに、ミッションクリティカルワークロード向けに検証済みのソリューションを提供するため、SAPによるこの種のマシンタイプのテストと動作保証に密接に協力してきた。SAPが動作保証しているオンライン分析処理(OLAP)ワークロードとオンライントランザクション処理(OLTP)ワークロード向けGCPインスタンスの中で、今回のultramemマシンタイプは最大構成となった。
Googleは、メモリ最適化型マシンタイプについて、他のマシンタイプより大幅な割引を提供し、最大70%の「確約利用割引」を適用することを明らかにした。確約利用割引は、Compute Engineで採用されている割引制度の一つで、「ワークロードが安定していて予測可能な場合、1年間または3年間の利用を確約すると、通常料金の最大57%引きで特定の量の仮想CPUとメモリを利用できる」というものだ。
ultramemマシンタイプは、北米のus-central1とus-east1リージョン、欧州のeurope-west1リージョンで提供を開始している。世界の他のリージョンでも、間もなく提供を開始する見通しだ。
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