VMware Cloud on AWSがアジアパシフィックで利用可能に、5つの新機能も追加:CPUコア数をユーザーが指定可能
VMwareは「VMware Cloud on AWS」の利用可能リージョンを、AWSのアジアパシフィック(シドニー)に広げた。同時に、最小構成を3ホストにしたり、独自の新しいCPUコアのカウント手法を導入したりするなど、新機能や新サービスの提供も開始した。
VMwareは2018年8月26日、「VMware Cloud on AWS」の利用可能リージョンを、Amazon Web Services(AWS)のアジアパシフィック(オーストラリアのシドニー)に広げた。同時に、VMware Cloud on AWSの新機能や新サービスの提供を開始することも発表した。
VMware Cloud on AWSは、VMwareが提供する「Software-Defined Data Center(SDDC)」ソフトウェアをAWSで利用可能にするサービス。VMware vSphereで構築した仮想環境とAWSを統合管理したり、オンプレミスの仮想環境で運用している仮想マシンをVMware Cloud on AWSに移行(マイグレーション)したりできる。
これまでの提供リージョンは、AWSの米国東部(バージニア北部)、米国西部(オレゴン)、欧州(ロンドン)、欧州(フランクフルト)に限られていた。
今回発表された主な新機能や新サービスは大きく以下の5つ。
(1)最小構成を3ホストとした
加えて期間限定で価格を従来の最小構成(4ホスト)の50%に設定した。すなわち、従来の2ホスト分のコストで3ホストを利用できる。
(2)新しいCPUコアのカウント手法を独自に導入した
ユーザーが必要とするCPUコア数を指定できるため、コア単位のライセンス制度を導入しているMicrosoftやOracleなどのソフトウェア製品を利用する場合、稼働コストを削減できる。さらに、ワークロードを特定のホストグループに固定する新機能「VM-Host Affinity」を利用することで、ライセンス要件を満たすことができる。
(3)数千台規模の仮想マシンを、ライブマイグレーションによってダウンタイムなく退避できるようにした
これにより、データセンターの即時移行が可能になった。VMwareによれば、クラウド環境のカットオーバーのスケジュールを任意に組めるというメリットがあるという。なお同社は、クラウドの移行計画を支援する「VMware Cost Insight」を用いて、無償で移行コストを試算するサービスも提供する。
(4)VMware NSXとAWS Direct Connectを統合した
ユーザーは、VMware Cloud on AWSとオンプレミスの仮想環境を接続でき、ネットワーク性能の向上も期待できる。さらに、それぞれの環境で稼働する仮想マシンをプライベートのネットワークで接続できる。
(5)リアルタイムでのログ管理機能「VMware Log Intelligence」を、追加費用なしで提供した
ユーザーは、この管理機能を利用してVMware Cloud on AWSの監査ログにアクセスでき、セキュリティとコンプライアンスを追加費用なしで強化できる。
なお、CPUコアの独自カウント手法やVM-Host Affinity、NSXとAWS Direct Connectとの統合などの機能は現在プレビュー中である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- [速報]VMware Cloud on AWSが今度こそ一般提供開始、複数AZ間のストレッチクラスタやGreengrass対応に注目
VMwareは2018年3月7日(日本時間3月8日)、VMware Cloud on AWS(以下、VMC on AWS)で、多岐にわたる発表を行った。発表の柱は、一般提供開始(GA)、欧州での展開、パートナープログラムの発足、機能の拡充。機能に関しては、オンプレミスからVMC on AWSへの移行を積極的に促すようなものが増えた。 - 画面で見るVMware Cloud on AWS。AWSで手軽に専有vSphere環境を構築
米ヴイエムウェアとAmazon Web Services(AWS)が2017年中ごろに提供開始予定の「VMware Cloud on AWS」。2017年5月第2週に開催された「Dell EMC World 2017」で、初の公開デモが実施された。本記事ではデモの画面を収録し、このサービスがどのように使えるのかを紹介する。 - Microsoft、Azure上でのvSphereホスティングを2018年に提供すると発表
Microsoftは2017年11月21日(米国時間)、Microsoft Azureのブログで、2018年にVMware vSphereのホスティングサービスを提供予定であることを明らかにした。同社はこの日、プレビュー版の利用受け付けを開始した。VMware Cloud on AWSやIBMのVMwareプライベートクラウドサービスと比較したくなるが、これらとは大きく異なるようだ。