IoTプロジェクトでI&Oチームが果たす4つの役割:Gartner Insights Pickup(74)
ITインフラ&オペレーション(I&O)の担当リーダーは、自社のIoTの取り組みで積極的にリーダーシップを発揮する必要がある。それはなぜか。
ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Smarter with Gartner」と、ガートナー アナリストらのブログサイト「Gartner Blog Network」から、@IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップして翻訳。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。
企業が進めるIoTの取り組みが急速に増えている。だが、多くのITインフラ&オペレーション(I&O)チームは、それらについてほとんど、あるいは全く知らないか関与していない。
「Gartnerの調査は、IoTの取り組みの59%が、IT部門の直接的な関与なしに計画されていることを示している。IT部門はこうした取り組みに一切関わっていないか、あるいはI&Oに関する重要な決定が行われてからしか関わっていない」と、Gartnerのリサーチバイスプレジデントを務めるサンジッド・ガングーリー氏は語る。
IoTプロジェクトが大きな成功を収めるには、3つの異なるグループによる総合的かつ組織的なアプローチを取る必要がある。
- I&O:統合、通信、分析、インフラを担う
- ビジネス部門:主に目標設定とリソース配分を担う
- オペレーションチーム:主に製品の設計と機能を担う
プロジェクト管理やセキュリティなどの業務は、3つのグループ全てが行う場合が多い。
「多くのIoTの取り組みには、I&Oチームが何らかのレベルで関与する必要がある。I&Oチームにとっての最初の一歩は、全てのIoTの取り組みを洗い出し、追跡することだ。そのためには、ビジネス部門や経営陣を調査し、進行中および計画中のIoTの取り組みを整理し、それらの適切なプロセスを構築しなければならない」とガングーリー氏は付け加える。
I&Oリーダーに求められる積極的なリーダーシップ
個々のIoTの取り組み内容に応じて、I&Oチームが果たせる役割は異なる。また、取り組みごとの影響や責任、オーナーシップのレベルも異なる。進行中または計画中のIoTの取り組みが見つかったら、あるいは既知の取り組みでも、I&Oのサポート要件が確定していないものがあれば、I&Oリーダーは積極的な役割を果たす機会を見つけなければならない。次の2点を目指すべきだ。
- どのようなプログラムや取り組みが存在し、I&Oチームの役割は何かを把握すること
- I&Oリーダーが戦略的オーナーシップの拡大を主張できる領域を特定すること
Gartnerは、2020年までにI&Oチームの40%が自社のIoTの取り組みで「推進者」「実装者」「運用者」のいずれかとして何らかの責任を負うようになると予測している。2018年のこの割合は5%にとどまる見通しだ。I&Oリーダーは個々のIoTの取り組みをよく見極めながら、可能なら全ての取り組みにおいて「傍観者」から脱却し、より推進者的な役割を担わなければならない。
「前に述べたように、60%近くのIoTプロジェクトは、I&Oチームが直接関与することなく計画されている。その中には、I&Oチームが最後まで関わることがないものもある。だが、I&Oチームはそのように計画に関与していない取り組みも、早くから把握しておかなければならない。将来的に、傍観者以外の役割を求められる可能性があるからだ」(ガングーリー氏)
I&OチームがIoTプロジェクトで担う可能性がある4つの役割は、下図の通りだ。
出典:4 New Roles That I&O Plays in IoT(Smarter with Gartner)
筆者 Laurence Goasduff
Director, Public Relations
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