クレカ不要で本物のAzureを試用できる、無料の学習サイト「Microsoft Learn」がオープン:Microsoft Azure最新機能フォローアップ(65)
2018年9月に開催された「Microsoft Ignite 2018」では、Microsoft Azureに関してさまざまな発表やリリースがありました。その中から1つ、Azureを含むMicrosoftの幾つかのクラウドサービスをオンラインで学習できる「Microsoft Learn」の開始が発表されました。
Azureの無料アカウントを使用せず、気軽に利用できるサンドボックス環境
Microsoft Azureのサービスは「無料アカウント」を取得(サインアップ)することで、30日間、2万2500円のクレジット枠内で基本的に制限なく試用することができます(一部、Microsoft以外が提供するイメージやサービスは除きます)。なお、無料期間終了後は利用を停止するか、従量課金に移行するかを選択できますが、現在は無料期間終了後も一部のサービスについては1年間無料で利用できるものもあります。
- Azureの無料アカウント(Microsoft Azure)
Azureの無料アカウントはクレジット枠内の上限があるため、無料期間内に課金されることはありません。しかし、無料アカウントを取得するには、有効であり、以前に無料アカウントで利用したことがないクレジットカードの登録が必須です。
そのため、さまざまなサービスを試したい場合、十分な評価が終わらないうちに、無料期間が終了してしまうこともあります。
2018年9月に開催された「Microsoft Ignite 2018」でリリースされた新しいオンライン学習サイト「Microsoft Learn」は、Azureの無料アカウントなどのサインアップ手続きなしで、ハンズオン環境としてMicrosoftの“本物のクラウドサービス”を利用できる、新しいタイプのオンライン学習サイトです(画面1)。
現在、Azureの利用を検討しているアプリ開発者、IT管理者、技術者と、PowerApps、PowerBI、Microsoft Flow、Dynamics 365を検討しているビジネスユーザーや技術者を対象として、日本語化された約100のコース(モジュール)が用意されており、ドキュメントで学びながら、本物のクラウドサービスに触れてスキルを高めることができるようになっています。
例えば、Azureのハンズオン環境は、Microsoftアカウントでサインインし、サンドボックス環境をアクティブ化することで素早く準備でき、本物のAzure PortalやAzure Cloud Shellを実際に操作できます(画面2、画面3、画面4)。
1つのコース(モジュール)を終了する際、知識レベルの確認(数問の問題)に解答し、サンドボックス環境をクリーンアップして終了するとポイントが付与され、学習がどこまで進んだか把握できるようにもなっています。
最初からAzureの無料アカウントにサインアップして、無料期間を気にしながら評価するよりも、Microsoft Learnである程度学んでから、無料アカウントにサインアップして内容の濃い評価を行い、その後、従量課金制に移行するのが「ベストなAzureの始め方」になるのではないでしょうか。
筆者紹介
山市 良(やまいち りょう)
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。
関連記事
- Microsoft Ignite 2018で発表されたAzureアップデートの注目機能
2018年9月24日(米国時間)から米国オークランドで開催された「Microsoft Ignite 2018」では、Windows Server 2019をはじめとする多くの発表がありました。Microsoft Azureに関しても、このイベントに合わせて新サービスの一般提供やプレビュー提供がアナウンスされました。 - Microsoft、「Azure」への移行計画を支援する「Azure Migrate」サービスを正式リリース
オンプレミス環境から「Microsoft Azure」への移行計画を支援するガイダンスや分析を提供する「Azure Migrate」サービスの一般提供が開始された。 - Microsoft、「Azure」の仮想ネットワークの「アプリケーションセキュリティグループ」(ASG)機能を正式リリース
「Azure」の仮想ネットワークにおけるセキュリティのマイクロセグメント化を実現する「アプリケーションセキュリティグループ」(ASG)機能が、Azureの全リージョンで正式に利用可能になった。 - Linuxを採用、Microsoftが発表した「Azure Sphere」とは
Microsoftは2018年4月16日(米国時間)、セキュリティ確保を目的とした新IoTソリューション、「Azure Sphere」を発表した。チップ、LinuxベースのセキュアOS、Microsoft Azureによるサービスの三位一体で構成される。Linuxを採用している点が注目される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.