検索
ニュース

セキュリティ未対策が3割超、ノークリサーチが中堅中小企業のスマート機器利用を調査中小企業がスマホを役立てるには

ノークリサーチの調査によると、中堅中小企業でスマートフォンやタブレット端末を利用する際、さまざまな課題があることが分かった。例えば、セキュリティ対策を実施している割合はPCと比べて低かった。スマート端末を「顧客対応の改善」に役立てる際にも課題が見つかったという。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 ノークリサーチは2019年2月25日、年商500億円未満の中堅中小企業を対象に、スマートフォンやタブレットのセキュリティ対策と、それらの導入目的に関する調査結果を発表した。

 ノークリサーチの調査によると、スマートフォンやタブレットといったスマート機器は、中堅中小企業でも既に一般的に利用されている。ところがスマート機器のセキュリティ対策についてはおろそかにしている企業が多い。具体的には、セキュリティ対策を実施している中堅中小企業の割合は、PCの93.2%に対して、スマート機器は67.4%と少なかった。

 スマート機器に対するセキュリティ対策の実施割合を年商別で見ると、年商が少ないほどセキュリティ対策を実施している割合も低かった。具体的には、5億円未満は60.0%、5億〜10億円は62.5%、10億〜20億円は66.5%、20億〜50億円は62.5%、50億〜100億円は74.0%、100億〜300億円は73.0%、300億円以上は79.0%だった。

 一方、スマート機器に対するセキュリティ対策の種類では、パッケージソフトとクラウドサービスを利用している割合が高かった。具体的には、パッケージソフトが最も多く20.3%。次いで、クラウドサービスの19.4%、アウトソーシングの11.7%、機器付属のツールの8.7%、アプライアンスの8.0%と続き、手作業も8.2%あった。

 2017年と2018年の回答を比較すると、クラウドサービスが顕著に伸びていた。


スマートデバイスのセキュリティ対策の手法(複数回答可、出典:ノークリサーチ

中小企業はスマート機器で何を実現しようとしているのか

 調査では、スマート機器の導入目的も聞いた。特に、マーケティングオートメーションやチャットbot、QRコード決済、音声翻訳など顧客対応の改善を目的としたITソリューションの導入予定と、その際のスマート機器利用の有無を尋ねた。

 その結果、目的が何であれ、スマート機器の利用を伴う導入予定の割合が、スマート機器の利用を伴わない導入予定を上回った。中でも、スマート機器の利用を伴う導入予定の割合が高かった目的は、「AI(人工知能)を活用したチャット自動応答」(44.8%)と、「会話音声分析による顧客応対改善」(42.6%)だった。


顧客対応の改善に関するITソリューションの導入予定とスマートデバイスの利用(出典:ノークリサーチ

 AIを活用したチャット自動応答にスマート機器を利用する理由を聞いたところ、「顧客の多くがスマートデバイスを利用している」(39.1%)や、「PCだけでは顧客との接点が狭くなってしまう」(30.4%)との回答が多かった。


AIを利用したチャット自動応答においてスマートデバイスを利用する理由(複数回答可、出典:ノークリサーチ

 スマート機器の導入目的について、ノークリサーチは次のように課題をまとめている。

 「AIを活用したチャット自動応答は、昨今ではチャットbotとして注目を集めており、顧客向けのQ&A対応や従業員向けヘルプデスクなどで利用が期待されている。ただ、チャット自動応答を活用して社内向けのITソリューションを構築する際は、単なる情報検索にとどまらない付加価値が必要になる。DX(デジタルトランスフォーメーション)時代を見据えたITソリューション提案では、スマート機器利用の有無とその理由を個々のITソリューションごとに確認することが重要だ」

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る