AIシステムの半数はオンプレミスで稼働、IDCが調査:クラウドが少ない理由は?
IDC Japanが発表した「2019年 国内企業のエンタープライズインフラのシステムタイプ別トレンド分析」によると、AIシステムをオンプレミスで稼働させている企業の割合は53.2%、クラウドは33.8%だった。
IDC Japanは2019年3月20日、「2019年 国内企業のエンタープライズインフラのシステムタイプ別トレンド分析」を発表した。
同調査によると、AI(人工知能)を利用している企業では、オンプレミスでAIシステムを稼働させている割合は53.2%、クラウドが33.8%、データ解析システムの利用が4.3%だった。
システムを選択した理由はオンプレ、クラウドともデータ保護
オンプレミスとクラウドでそれぞれAIを稼働させている企業が、システムを選択した理由を見ると興味深い。どちらも「データ保護が重要」が最も多かったからだ。
「データ保護が重要」と回答した割合は、オンプレミスを採用した企業が49.5%。これに対してクラウドを採用した企業では20.6%を占めた。ただしクラウド採用企業では、「インフラを保有したくない」との回答も同率でトップだった。
この点についてIDCでは、「データを保護するためには、組織内にデータを保持して解析処理する方が安全だとの認識を裏付ける回答が多い一方で、同目的のためにクラウドを活用する、つまり、データ保護の観点から見てオンプレミスよりもクラウドの方が安全だとの認識がある程度広まっている」と分析している。
なお、AIの学習フェーズで利用する教師データの主な保存場所は、オンプレミスとクラウドがいずれもほぼ5割程度。IDCは「ITリソースとは異なり、データの長期保存先はクラウドでよいとの認識が背景にある」と分析している。
AIで解析するデータの種類で多かったものは、システムログやWebアクセスログ、CRM(Customer Relationship Management)データだった。
「2019年 国内企業のエンタープライズインフラのシステムタイプ別トレンド分析」の調査時期は2019年2月。国内企業や団体の経営層、事業部門長、部課長を対象としたアンケート調査により、900の組織から回答を得た。なお、ITリソースの種類や選定理由については、AIの活用フェーズが「本番環境で導入している(用途拡大期)」「本番環境で導入している(導入初期〜定着期)」「試験的に導入している」情報システム部門(IT部門)に対して質問した。
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