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学習者が「自分で課題を組み立てる」新しい学習支援システム いろはソフトが無償提供「ゲーミフィケーション」の悪影響を防止

いろはソフトは自律型学習支援システム「iroha Compass」を無償で提供する。教師主体の教材配信型である既存のeラーニングシステムと異なり、iroha Compassは学習者が主体の新しい形態で、アクティブラーニングや研究活動などに活用できる。

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 いろはソフトは2019年7月25日、自律学習支援システム「iroha Compass」を提供開始すると発表した。オープンソースで提供され、全ての機能を無償で利用できる。

 同社では、教師主体の教材配信型である既存のeラーニングシステムと異なり、iroha Compassは学習者が主体の新しい形態で、アクティブラーニングや研究活動などに活用できるとしている。既存のeラーニングシステムは、学習者に知識を伝達するプロセス(講義)と、理解度を確認するプロセス(テスト)を支援するシステムは充実しているものの、「学習者自らが学習課題を設定する」といった学習パラダイムに基づいた自律学習支援型のシステムは少ないという。

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一般的なeラーニングシステムとの比較(出典:いろはソフト

学習者のモチベーションを上げるのは進捗の積み重ね

 いろはソフトは、自律学習の課題として「学習者のモチベーション維持」を挙げている。学習者のモチベーション維持には、例えば学習にゲーム性を取り入れる「ゲーミフィケーション」が注目されている。だが同社は、ゲーミフィケーションは外発的動機付けとの結び付きが強く、好奇心などの内発的動機付けに悪影響を及ぼすと指摘する。そこで同社は、Teresa M. Amabile氏の日々の小さな進捗(しんちょく)の積み重ねがモチベーションを高めるという「進捗の法則」に着目してiroha Compassを開発したという。

 iroha Compassは学習者自らが学習目標や学習課題を設定し、進捗を登録する。もしも課題が、学習者だけでは達成できないような複雑なものであった場合は、指導者がiroha Compassを通じて助言できる。さらに、知識と知識のつながりを可視化するアイデアマップを作成できる。これによって「深い学び」を支援する。深い学びとは「新しい知識を既に身に付けている知識や自らの経験と結び付けて、概念(意味)を理解しようとする学習」のことだ。

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iroha Compass アイデアマップ作成画面(出典:いろはソフト

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