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5本指ロボットハンド「F-hand」 NEDOらが無償貸与1個のモーターで5本指を制御

NEDOらは、5本指のロボットハンド「F-hand」を、国内の学術研究機関を対象に2020年1月末まで無償貸与する。無償貸与で得られた知見を基に市場ニーズに適合するようF-handを改良し、2020年度に一般販売する予定。

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 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と公立大学法人首都大学東京 東京都立産業技術高等専門学校、ダブル技研は2019年7月29日、5本指のロボットハンド「F-hand」を2020年1月31日まで無償貸与すると発表した。対象は、日本国内の高等専門学校、大学、大学院、公的研究機関など学術研究機関に属する研究室と研究者。市場ニーズにより適合したロボットハンドの開発促進が目的で、3者では「ロボットによる革新的イノベーション」の創出につなげるとしている。

 F-handは、さまざまな形状の物を安定的につかめるロボットハンド。政府の「ロボット新戦略(2014年度策定)」を受けてNEDOが実施している、人間の能力を超えることを狙った革新的な要素技術を活用し、人工知能やロボットの未開拓の分野で新需要の創出を狙ったプロジェクトで3者が開発した。

F-hand
今回無償貸与する「F-hand」(出典:F-hand ポータルサイト

F-handの構成と無償貸与の狙い

 人間の手や指の構造を分析して、構造を工学的に模倣した機構を開発した。「協調リンク機構」と「指先なじみ機構」で構成されており、1個のモーターを制御するだけであらゆる物をつかめる。イチゴやモモなどの柔らかい果物を傷つけずにつかんだり、電動ドリルなどの工具をしっかりと握ったりできる。

 3者によると、こうしたロボットハンドの開発に当たっては、多くのユーザーにさまざまな状況や環境、用途で動作試験を実施してもらうことで、ユーザーが求めるロボットハンドの要求仕様を策定し、ハードウェアに関する改善要望点を明確にする必要があるという。さらに、多くのユーザーに使ってもらうことで、想定外の用途や、構造に関する新しいアイデアが生まれ、モーター制御に関する斬新な手法などの開発も期待できるとしている。

 今回の無償貸与は、こうした動作試験目的に向けた施策。合計50台のF-handを、2019年7月29日から2020年1月31日まで貸与する。動作試験から得られた知見を基に市場ニーズに適合するようF-handを改良し、2020年度にダブル技研が一般に販売する予定だ。

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