Microsoft、「Windows Virtual Desktop」を正式リリース:MicrosoftのDaaS
Microsoftは、WindowsデスクトップとアプリケーションをMicrosoft Azure上で数分以内にデプロイ、スケーリングできる「Windows Virtual Desktop」の一般提供を日本を含む全世界で開始した。
Microsoftは2019年9月30日(米国時間)、WindowsデスクトップとアプリケーションをMicrosoft Azure上で数分以内にデプロイ、スケーリングできるDaaS(Desktop as a Service)である「Windows Virtual Desktop」の一般提供を日本を含む全世界で開始したと発表した。
Windows Virtual DesktopはWindowsとAndroid、macOS、iOSの他、HTML5に対応したWebブラウザでも利用できる。
MicrosoftはWindows Virtual Desktopを、「シンプルな管理、マルチセッションのWindows 10エクスペリエンス、『Office 365 ProPlus』への最適化、『Windows Server Remote Desktop Services(RDS)』デスクトップとアプリケーションのサポートを実現する唯一のサービス」だと説明した。特にマルチセッションが重要だとしている。
MicrosoftはWindows Virtual Desktopを2018年9月に発表しており、2019年3月からパブリックプレビュー版の提供を開始していた。
なぜWindows Virtual Desktopが必要なのか
「Windows 7」の延長サポートが2020年1月に終了することを挙げ、Microsoftは、Windows 7アプリケーションのサポートを継続する必要がある顧客の存在を考慮したという。こうした顧客が2023年1月まで、Windows Virtual Desktopを使って、無料の「拡張セキュリティ更新プログラム(Extended Security Updates、ESU)」が付いたWindows 7デスクトップを仮想化できるようにしている。
Microsoftは、生産性向上の支援を目的としてこれまで、仮想環境におけるOfficeエクスペリエンスに投資を行い、Officeと関連技術の改良を進めている。例えば2018年11月に買収したFSLogixだ。
2019年7月には「Microsoft 365」「Windows 10 Enterprise」、RDSの顧客にFSLogixの技術を提供開始した。2019年9月30日時点で全てのFSLogixツールがWindows Virtual Desktopに完全に統合されており、ユーザーはスムーズで高パフォーマンスのOffice仮想化エクスペリエンスを享受できる。
さらにMicrosoftは、MSIX形式でパッケージ化されたアプリケーションを、仮想マシンに永続的にインストールするのではなく、動的に“アタッチ”できるようにすることで、アプリケーションデリバリーを簡素化した。
この機能は重要な意味を持つ。ストレージの必要容量が大幅に減少し、管理者によるアプリケーションの管理と更新も容易になり、シームレスなユーザーエクスペリエンスを実現できるからだ。
パートナーとも協力
一方、Microsoftは、顧客がWindows Virtual Desktopを拡張し、既存の仮想化投資を最大限に活用できるよう支援するため、パートナーと密接に協力している。こうした協力に基づくパートナーの取り組みの例として、以下のようなものがある。
- Citrixは2019年9月30日から全世界でWindows Virtual Desktop向けの拡張を開始した。Azure上でのWindows 10マルチセッション、無料ESUが付いたWindows 7(最大3年間)、無料ESUが付いたWindows Server 2008 R2をそれぞれサポートしている
- VMware Horizon Cloud on Microsoft Azureでは2019年中にプレビュー版を利用可能にする予定だ。Windows Virtual Desktopとそのメリットを拡張できるようになる。その中には、Windows 10 Enterpriseマルチセッション、無料ESUが付いたWindows 7(最大3年間)のサポートが含まれる
- Microsoftはハードウェアパートナーやシステムインテグレーター(SI)、付加価値ソリューションプロバイダーとも協力している。SIはターンキーDaaSを提供する。付加価値ソリューションプロバイダーは、印刷やアプリケーションレイヤー化、評価、モニタリングといった機能をAzure Marketplaceから追加できるようにしている
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