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AI画像解析で「顔が映っていない画像」から人物特定、追跡が可能に 日立製作所:「顔さえ映らなければ大丈夫」が通用しない
日立製作所と日立産業制御ソリューションズは、防犯カメラなどの映像から全身特徴によって特定の人物を高速検索する「高速人物発見・追跡ソリューション」を販売する。後ろ姿など、顔が映っていない映像からでも全身特徴を判別する。
日立製作所(以下、日立)と日立産業制御ソリューションズ(日立産業制御)は2019年10月4日、「高速人物発見・追跡ソリューション」の販売を同年10月7日に開始すると発表した。防犯カメラなどの映像に映る人物の中から、性別や年齢層、服装など100項目以上の全身特徴を使って特定の人物を高速に発見し追跡する。日立が開発したAI(人工知能)画像解析技術を活用して、日立産業制御が製品化した。
防犯カメラ映像の目視による監視や記録映像の確認といった負荷を軽減し、業務を効率化する。例えば、駅や空港、商業施設での不審者や迷子の早期発見、警察や自治体など公共機関での警備を支援する。さらに、工場や物流現場での作業者管理、商業施設や公共施設での来場者行動分析など、セキュリティ以外の分野でも利用できる。
「高速人物発見・追跡ソリューション」の特徴
高速人物発見・追跡ソリューションは、防犯カメラの映像から全身特徴抽出してデータベース化する。後ろ姿など、顔が映っていない映像からでも、100項目以上の全身特徴を高速に判別してデータベース化するという。このデータベースから、日立が開発した「高速類似ベクトル検索機能」と呼ぶ画像検索技術によって検索する。数万人規模のデータでも、1秒以内で検索できるとしている。特定人物を発見すると、防犯カメラの位置情報や撮影時刻を使って移動経路を追跡表示する。
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