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あなたの能力も態度も信用できません:「訴えてやる!」の前に読む IT訴訟 徹底解説(75)(1/4 ページ)
スケジュールは守らないわ、追加請求を繰り返すわ、不具合は増え続けるわ――あなた、それでよく「プロ」のベンダーだといえますね。
システム開発をベンダーに委託したものの、その進捗(しんちょく)や品質の悪さに不安を覚えたユーザーが契約を途中解除してしまうことがある。出来上がりそうもないシステムにこれ以上時間と労力と費用を無駄に費やすよりは全てを仕切り直したい、と考えるのは、自然なことである。
しかしベンダーからすれば、突然契約を解除されたら、かかった費用が回収できないどころか、場合によってはユーザーに損害の賠償をしなければならなくなる。一方的な解除など到底受け入れられたものではない。
そもそも「ベンダーの作業に不安を覚えた契約解除」なるものが正当か否か、判断は難しい。
システム開発の世界では、遅延や不具合の多発は必ずしも珍しいものではなく、数々の困難を克服して本稼働までこぎ着けたプロジェクトはたくさんある。むしろ開発中に何も起きないプロジェクトの方がまれといってもいい。
ITの素人であるユーザーの判断が誤っている場合もある。しかし、ベンダーの言うことがいつも正しいわけでもない。
ベンダーはプロジェクトが危機にひんしていてもめったに諦めないし、顧客であるユーザーに「大丈夫です」と言いたがるものだ。客商売である以上仕方のないことだが、それが度を超すとウソの報告をするようになり、ますますプロジェクトを混乱させてしまう。結果、ユーザーの契約解除を待つまでもなく破綻するケースも少なくない。
破綻しかけたプロジェクトに見切りをつけるポイントはどこにあるのだろうか。
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