企業規模や海外の売上高比率が高い企業ほど深刻 日本CFO協会が経理財務業務の影響調査を実施:新型コロナウイルスの影響は長期化
日本CFO協会は「新型コロナウイルスによる経理財務業務への影響に関する調査」の第2弾の結果を発表した。決算業務の遅延や決算発表の遅延といった深刻な状況が浮かび上がった。
日本CFO協会は2020年4月15日、「新型コロナウイルスによる経理財務業務への影響に関する調査」の第2弾の結果を発表。業績計画や投資計画、資金計画などについて調べた。
調査では、決算業務の遅延や決算発表の遅延といった深刻な状況が浮かび上がった。半数の企業が業績を下方修正し、15%の企業は今後の業績の見通しが立っていない。海外売上高比率が高い企業では、国別や通貨別に資金状況が悪化する懸念が高まっている。
懸念されるリスクでは「決算業務の遅延」が多い
新型コロナウイルス感染症の拡大によって懸念されるリスクについては「決算業務の遅延」を挙げた企業が最も多く、55%(複数回答)を占めた。次いで「今期の計画・予算の未達」(46%)、「業績の下方修正」(38%)、「売り上げの激減」(35%)、「業績発表の遅延」(32%)が続いた。
企業規模や海外の売上高比率が高い企業ほど深刻だ。売上高が5000億円以上の企業に絞ると「決算業務の遅延」を挙げた割合は74%に上った。次いで「海外監査が困難」(55%)、「業績発表の遅延」(48%)、「国内監査が困難」(45%)、「業績の下方修正」(38%)が続いた。一方、海外売上高比率が50%以上の企業では「決算業務の遅延」(76%)、「業績発表の遅延」(56%)、「海外監査が困難」(51%)、「今期の計画・予算の未達」(36%)、「売り上げが激減」(36%)の順だった。
なお「株主総会開催が困難」を懸念されるリスクとして挙げた企業は14%にとどまった。株主総会への対策については、「分からない」と「特に考えていない」と回答した割合がそれぞれ25%で、「開催時期の延期を検討している」と回答した企業は4%にとどまった。
新型コロナウイルス感染症の影響は資金繰りにも
関連記事
- 「若年層はSNS、高齢層はテレビ」 野村総合研究所が新型コロナの情報源を調査
野村総合研究所は、生活者のコミュニケーション方法や情報収集手段に対する「新型コロナウイルス感染拡大の影響の調査結果」を発表した。それによると、情報の入手手段は年代によって特色があり、若年層はSNS、高齢層はテレビという傾向が見られた。 - 犯罪捜査、オリンピック、新型コロナウイルスから見えてくる、世界と日本のサイバーセキュリティ事情
新型コロナウイルスの影響によるライブ配信での実施となった「@ITセキュリティセミナー2020 新春」の基調講演に、元インターポールで現ヤフー 執行役員の中谷昇氏が登壇。世界と日本のサイバーセキュリティ事情について講演した。 - 「コロナ疲れ」「コロナ鬱(うつ)」に陥らないために
新型コロナウイルス感染症で、日本中が大変なことになっています。非常時はネガティブ情報が多く、気持ちも沈んでしまいがちです。こんなときこそ触れる情報を意識的に選択していくことで、平常心を保ちつつ、今取るべき行動が見えてきます。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.