医療AI開発の課題解決に向けた取り組み 厚生労働省が公開:実施予定のAI施策を時系列で示す
厚生労働省は「保健医療分野AI開発加速コンソーシアム」で決定された工程表を公開した。工程表の公開に当たり「AIを用いた機器などを医療現場に導入、利活用することに伴う課題などについても議論を開始する必要がある」との見解を示した。
厚生労働省は2020年6月19日、「保健医療分野AI(人工知能)開発加速コンソーシアム」で決定された工程表を公開した。保健医療分野AI開発加速コンソーシアムは、2017年に厚生労働省が取りまとめた、画像診断支援、ゲノム医療、診断/治療支援、医薬品開発、介護/認知症、手術支援の重点6領域を含む保健医療分野でのAIの開発や利活用を加速させるための対応策や今後の研究開発の方向性を検討することを目的に、2018年から検討を重ねてきた。
厚生労働省は工程表の公開に当たり「AIの社会実装が始まりつつあり、AIを用いた機器などを医療現場に導入、利活用することに伴う課題などについても議論を開始する必要がある」と見解を示した。
今回公表されたのは、「ロードブロック(開発の障壁)解消のための工程表」と「俯瞰(ふかん)図に基づくAI開発促進のための工程表」の2点だ。
ロードブロック解消のための工程表は、重点6領域のうち画像診断支援以外の5領域において、考慮すべきロードブロックが何か、領域を横断する形で検討すべき項目を示している。なお、2019年度までの議論を取りまとめている関係上、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する議論は含まれていない。
考慮すべきロードブロックとしては「Informed Consent(インフォームドコンセント:医師からの説明による患者の同意)」「データ転送、標準化/匿名化」「クラウドでの計算/データストレージ」など9項目を挙げている。「クラウドでの計算/データストレージ」の項目では、「クラウド環境基盤の要件について検討が必要ではないか」という課題に対して「『データヘルス改革推進本部』における取組や、他省庁が開発するコンピュータ資源、高速ネットワークの整備状況等を踏まえ、引き続き検討」と方針を定めるなど、着手/対応済みの事項や取り組み事項、時系列でみた大まかな流れが描かれている。
今後実施予定のAI施策は?
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