AWS、ノーコードで業務アプリを作成できる「Amazon Honeycode」を発表:スプレッドシートインタフェースでDB機能を利用できる
Amazon Web Services(AWS)は、ノーコードでモバイル/Webアプリケーションを迅速に作成できるフルマネージドサービス「Amazon Honeycode」を発表した。
Amazon Web Services(AWS)は2020年6月24日(米国時間)、ノーコードでモバイル/Webアプリケーションを迅速に作成できるフルマネージドサービス「Amazon Honeycode」を発表した。
AWSは、「顧客はAmazon Honeycodeにより、アプリケーション開発の手間やコストを軽減できる」として、次のように説明している。「プロセスの承認や、イベントスケジューリング、(顧客関係管理)、ユーザー調査、To-Doリスト、コンテンツや在庫の追跡といった事項の経過把握、管理を行うためのアプリケーションが必要な顧客は、『スプレッドシートやドキュメントを電子メールで送付する』といったミスしやすい方法を使ったり、開発者を雇って高いコストをかけてカスタムアプリケーションを作ってもらったりする必要がなくなる」
どのようなアプリケーションを作れるのか
Amazon Honeycodeを利用すれば、顧客はGUIのアプリケーション開発ツールを使って、小さなチーム向けのタスク追跡アプリケーションから、複数のチームや部門にわたる複雑なワークフローを管理するプロジェクト管理システムまで、インタラクティブなモバイル/Webアプリケーションを作成できる。
アプリケーションには、特定の条件に応じて通知、リマインダ、承認などのアクションを実行する自動化機能を組み込むこともできる。これらのアプリケーションは、例えば、時系列でのデータ追跡や、ユーザーへの変更通知、承認の回付、インタラクティブなビジネスプロセスの簡易化といったタスクを実行できる。
構築したアプリケーションは、ボタンをクリックするだけで、チームメンバー間で共有できるという。
「スプレッドシート」のインタフェースで画面設計
Amazon Honeycodeは、多くのユーザーが使い慣れているという「スプレッドシート」のインタフェースで、AWSの開発したデータベース機能を提供する。そのため、顧客はデータのソート、抽出、結合を行い、データドリブンのインタラクティブなアプリケーションを作成できる。また、データの変化に合わせてリアルタイムに更新される動的なビューやダッシュボードも、作成できるという。
Amazon Honeycodeでは、テーブルが、アプリケーションを駆動するデータを保持し、プロジェクトフォルダに似た「ワークブック」が、テーブルデータ、アプリケーション、自動化機能を保持する仕組みだ。
Amazon Honeycodeによるアプリケーション作成は、事前定義されたテンプレートを使って始めることができる。テンプレートでは、データモデル、ビジネスロジック、アプリケーションが事前に定義されており、すぐに使えるようになっている。現時点でテンプレートは購入承認、休暇申請、在庫管理など、10種類程度用意されている。
テンプレートを使わずにアプリケーションを作成する場合は、空白のワークブックにデータを取り込み、スプレッドシートインタフェースを使ってデータモデルを定義し、リスト、ボタン、入力フィールドのようなオブジェクトを使ってアプリケーション画面を設計する。
スケーラビリティ、リージョン
Amazon Honeycodeで作成したアプリケーションは、AWSクラウドの機能とスケーラビリティをフルに活用でき、各ワークブックにつき最大10万行まで簡単にスケールアップできる。ユーザーは、基盤となるハードウェアおよびソフトウェアの構築、管理、メンテナンスについては気にせずに済む。
これらは全て、Amazon Honeycodeが内部的に処理する。ほとんどのビジネスアプリケーションに見られる3つの機能層(データベース、ビジネスロジック、ユーザーインタフェース)の構築および連携プロセスを自動化し、インタラクティブなモバイル/Webアプリケーションをエンドユーザーに提供する。このため、顧客はコーディングやインフラのスケーリングを気に掛けずに、アプリケーションの作成に集中できるという。
Amazon Honeycodeは現在、β段階にあり、米国西部(オレゴン)リージョンで提供されている。近いうちにより多くのリージョンで利用できるようになる予定だ。
料金プラン
Amazon Honeycodeは、「BASIC」「PLUS」「PRO」の料金プランが用意されており、概要は以下の通り。
- BASIC:無料。最大20人までのチームで利用できる。ワークブックは無制限に作成、利用できるが、各ワークブックは最大2500行という制限がある
- PLUS:月額19.99ドル。チームメンバーが20人を超えると、追加メンバー1人当たり月額9.99ドルが加算される。各ワークブックは最大1万行
- PRO:月額29.99ドル。チームメンバーが20人を超えると、追加メンバー1人当たり月額19.99ドルが加算される。各ワークブックは最大10万行
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