米国で技術職の求人が低迷 新型コロナの影響で:求人全体の傾向よりも悪化が顕著に
Indeed Hiring Labは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降の米国における技術職の求人トレンドの調査結果を報告した。
求人サイトIndeedの労働市場調査部門Indeed Hiring Labは2020年7月30日(米国時間)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大以降の米国における技術職の求人トレンドを調査した結果を報告した。
それによると、2020年5月中旬以来、技術職の求人トレンドは求人全体のトレンドよりも低調に推移しており、2019年のトレンドレベルを36%程度下回っている(トレンドの数値化と対前年比較の方法は、末尾の「調査方法」を参照)。
米国はCOVID-19とその経済への影響の封じ込めに苦戦している。経済はこのところ改善しつつあったが、南部と西部の州でCOVID-19が再燃し、再びロックダウン(都市封鎖)の実施に至る可能性が浮上している。
COVID-19危機の当初は、技術職の求人は求人全体のトレンドよりも堅調だった。技術職の多くは、対面の業務をあまり必要としないためとみられる。さらに、一部のIT企業は既にリモートワークポリシーを実施していたため、在宅勤務を容易に拡大できた。
低迷する技術職の求人
しかし、COVID-19のパンデミック(世界的流行)が進むとともに、技術職の求人は求人全体よりも落ち込みが目立っている。技術職の求人トレンドは2020年5月中旬に求人全体よりも悪化し、それ以来、着実に差が広がっている。2020年7月24日時点で、求人全体のトレンドは2019年のレベルを21%下回った。これに対し、技術職の求人は数週間にわたって、2019年のレベルを36%下回る水準で推移しており、回復の兆しは見えない。
Indeedは、技術職の求人が回復していない理由について、「技術職は採用と解雇のコストが高いためだろう」との見方を示している。
職種別に見ると、ITオペレーションおよびヘルプデスクの求人トレンドは、2019年のトレンドよりも32%低下し、システムエンジニアリングは同31%低下した。この2つの職種は、技術職全体(36%)よりも低下幅が小さかったが、リモートワークの導入拡大がその理由だろうと、Indeedは分析している。
他の技術職の求人トレンドを2019年のトレンドと比べると、ソフトウェア開発は35%、データサイエンティストは43%、IT管理は45%、それぞれ低下している。ソフトウェア開発のサブカテゴリーで、近年引く手あまただったAIおよび機械学習も、29%の低下となっている。
広がる打撃 技術集積地域以外の地域では低調顕著に
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