Microsoft、GUIアプリのサポート時期など「WSL」の最新情報を紹介:Linuxカーネルの自動更新も可能に
Microsoftは「Windows Subsystem for Linux」(WSL)について、最近のアップデートのまとめとともに、追加予定の新機能などの一端を紹介した。
Microsoftは2020年9月22日(米国時間)、公式ブログで「Windows Subsystem for Linux」(WSL)について、ここ数カ月のアップデートのまとめを紹介するとともに、追加予定の新機能や今後の計画の一端を説明した。
WSL 2がWindows 10バージョン1903と同1909でも利用可能に
「Windows 10 May 2020 Update」(バージョン2004)で提供開始された「WSL 2」が、「Windows 10 May 2019 Update」(バージョン1903)と同「November 2019 Update」(バージョン1909)でも利用可能になった。
WSLでのGUIアプリサポートの最新情報
MicrosoftはWSLでGUIアプリケーションをサポートする作業を進めている。初期プレビュー版の社内リリースが近づいており、「Windows Insider Program」で数カ月以内に、プレビューリリースを提供開始する見通しだ。
次の動画は、社内ビルドを使ってWSLでGUIアプリケーションを動かした様子だ。WSLが多様なアプリケーションをサポートする予定であることが分かる。Linux環境で完全に動作するIDE(統合開発環境)も含まれる。
この動画は、タスクバーに表示されるLinuxアプリケーションのアイコンや、マイクでのオーディオサポートなど、WSLでのGUIアプリケーションサポートがどのようなものなのか、最終イメージを詳細に伝えている。
Microsoftは近いうちに動画で示した機能の詳細を明らかにする予定だ。
ディストリビューションのインストールをWindows Insider Programのビルドでサポート
WSLをフルインストールできる新しい「wsl --install」コマンドは現在、Windows Insider Programで初期リリースが提供されている。数週間以内にWindows Insider Programの内容を更新し、このコマンドを1回実行するだけで、選択したLinuxディストリビューションとともにWSLをマシンにインストールし、セットアップすることが可能になる。
WSLからLinuxファイルシステムにアクセス
「Windows 10 Insider Preview Build 20211」において、WSL 2で新しい「wsl --mount」コマンドが使えるようになった。これにより、物理ディスクをWSL 2に接続してマウントし、Windowsでネイティブにサポートされていないファイルシステム(「ext4」など)にアクセスすることが可能だ。Windowsの「エクスプローラー」でこれらのファイルシステムのファイルをナビゲートすることもできる。
「TensorFlow-DirectML」のオープンソース化
2020年6月からWSLはWindows Insider Programで、GPUコンピューティングワークフローをサポートしている。さらに、Microsoftは2020年9月に、Windows上のTensorFlowの拡張である「TensorFlow-DirectML」をGitHubでオープンソースとして公開した。
TensorFlow-DirectMLは、DirectX 12対応GPUを搭載するWindowsデバイス上で動作し、DirectMLによって機械学習モデルを高いパフォーマンスでトレーニング、推論可能にする。TensorFlowをこれまでより幅広いGPUと組み合わせて利用できる。
DirectMLは、Windows上のハードウェアアクセラレーテッドディープラーニングAPIであり、TensorFlow-DirectMLはこれを利用して、Windows 10とWSLでクロスベンダーのハードウェアアクセラレーションを提供する。
WSLで使われるLinuxカーネルがMicrosoft Updateで自動更新
WSLが有効化され、Microsoft Updateによる自動更新が選択されているデバイスで、Linuxカーネルの最新版が自動的に受け取れるようになった。
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