「AWS Lambda」が拡張機能を介して各種運用ツールと統合可能に:追加の設定作業が必要ない
サーバのプロビジョニングや管理をすることなくコードを実行できる「AWS Lambda」サービスが利用しやすくなった。AWS Lambda拡張機能を使うことでモニタリングや可観測性、セキュリティ、ガバナンスのための運用ツールをAWS Lambdaと統合して利用できる。
Amazon Web Services(AWS)は2020年10月8日(米国時間)、「AWS Lambda」(Lambda)サービスが、Lambda拡張機能のプレビュー版を介して、モニタリングや可観測性、セキュリティ、ガバナンスのための運用ツールとともに利用しやすくなったと発表した。
Lambdaは、サーバのプロビジョニングや管理をすることなく、コードを実行できるサービス。開発者や運用担当者はLambdaを使うことで、運用上のオーバーヘッドを削減できるため、ビジネスニーズに集中しやすくなる。
Lambda拡張機能を利用すると、既存のツールとLambdaを容易に統合できる。これまでLambdaと既存のツールを統合するには、追加の運用や設定作業が必要だった。ログエージェントのような長時間稼働するプロセスを、Lambdaで簡単に動作させることもできなかった。
Lambda拡張機能を利用する次のようなユースケースがあるという。
- 関数の呼び出し前、呼び出し中、呼び出し後に診断情報を取得する
- コードを変更せず、自動的にコードをインストルメント化する
- 関数呼び出しの前に構成を設定したり、秘密情報を取得したりする
- 動作させたい機能とは別のプロセスとして実行可能な強化されたセキュリティエージェントを介して、機能の活動を検出し、警告する
現在、Lambda拡張機能を利用できるツールは次の通り。
- AppDynamics、Check Point、Datadog、Dynatrace、Epsagon、HashiCorp、Lumigo、New Relic、Thundra、Splunk、AWS AppConfig、Amazon CloudWatch Lambda Insights
2つのコンポーネントで実現
AWSマネジメントコンソールやAWS CLI(AWSコマンドラインインタフェース)を使うと、Lambda拡張機能をLambdaレイヤーとしてデプロイできる。
「AWS CloudFormation」「AWS Serverless Application Model」(AWS SAM)、「Serverless Framework」「Terraform」などのコードツールとしてインフラストラクチャを利用することもできる。「Stackery」を使うとEpsagonやNew Relic、Lumigo、Thundraの拡張機能の統合を自動化することもできる。
Lambda拡張機能にはLambda Extensions API(Extensions API)と拡張機能自体という2つのコンポーネントがある。拡張機能の構築ではExtensions APIを使う。関数の初期化や呼び出し、シャットダウン中にツールが強力な制御を実現する手段もExtensions APIが提供する。Extensions APIは既存のLambda Runtime APIをベースに構築されており、カスタムランタイムをLambdaで利用しやすい。
ほとんどのユーザーは拡張機能を実現するExtensions APIの機能を知ることなく、拡張機能を使用できる。Lambda関数でオプションを設定することにより、拡張機能の機能を利用できるからだ。拡張機能の開発者はExtensions APIを使って、関数と実行環境のライフサイクルイベントを登録する。
内部モードと外部モードがある
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