Microsoft、セキュリティプロセッサ「Microsoft Pluton」を発表:CPUレベルでWindowsセキュリティを再定義
MicrosoftはAMD、Intel、Qualcomm Technologiesとともに、セキュリティプロセッサ「Microsoft Pluton」と、これに基づくWindowsセキュリティの新たなビジョンを発表した。TPMチップとCPUのやりとりを傍受するといった攻撃に対応する。
Microsoftは2020年11月17日(米国時間)、主要シリコンパートナーのAMD、Intel、Qualcomm Technologiesとともに、セキュリティプロセッサ「Microsoft Pluton」と、これに基づくWindowsセキュリティの新たなビジョンを発表した。
Microsoft Plutonの初期設計は、2013年にMicrosoftがAMDとのパートナーシップによりリリースしたゲーム機「Xbox One」と、包括的なIoTソリューション「Azure Sphere」におけるハードウェアとOSの統合セキュリティ機能で最初に採用されている。
初期設計が効果を発揮したことから、多様な物理的攻撃からの防御のためにハードウェアをどのように活用すべきなのかを、Microsoftは学んだ。Plutonセキュリティプロセッサにはその成果が生かされている。
Windowsセキュリティの新ビジョン
Microsoftによると、Plutonセキュリティプロセッサは、AMD、Intel、Qualcomm Technologiesが提供する将来のチップを通じて、Windows PCの次世代のハードウェアセキュリティ保護を実現する。Microsoft Plutonの「チップツークラウド」のセキュリティ技術は、将来のWindows PCのセキュリティをより強化するとともに、エコシステムとOEMパートナーによる新たな取り組みに道を開くという。
Microsoftが掲げる将来のWindows PCのビジョンでは、セキュリティを中核に据えている。セキュリティ機能をCPUに組み込み、ハードウェアとソフトウェアを緊密に統合することで、あらゆる攻撃パターンを排除するというものだ。MicrosoftはPlutonセキュリティプロセッサの革新的な設計により、Windows PCのさまざまな改善をもくろんでいる。Plutonセキュリティプロセッサにより、攻撃者がOSの背後に隠れることが難しくなり、物理的な攻撃に対する防御の他、認証情報や暗号鍵の盗難防止、ソフトウェアバグからの回復機能が強化されると、Microsoftは述べている。
CPUとTPMのバスインタフェースへの攻撃を防止
Microsoftは、Plutonセキュリティプロセッサをリリースした背景を次のように説明している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ハッキングを未然に防ぐプロセッサ「MORPHEUS」を開発、ミシガン大
米ミシガン大学の研究チームが、脅威に対してプロアクティブに防御するプロセッサアーキテクチャ「MORPHEUS」を開発した。「チャーン」技術を用いた。 - Windows起動前後にデバイスを守る工夫、ルートキットを防ぐ
Windows 10が備える多彩なセキュリティ対策機能を丸ごと理解するには、5つのスタックに分けて順に押さえていくことが早道だ。連載第1回は、Windows起動前の「デバイスの保護」とHyper-Vを用いたセキュリティ構成について紹介する。 - Intel、シリコンレベルのセキュリティ技術「Intel Threat Detection Technology」と「Intel Security Essentials」を発表
Intelは、セキュリティ脅威の検知を支援するシリコンレベルの機能セット「Intel Threat Detection Technology」と、Intelプロセッサに組み込まれるセキュリティの機能セット「Intel Security Essentials」を発表した。