Google、コンテナにイベントを送信する機能「Eventarc」を一般公開:60以上のGoogle Cloudソースからイベントを送信可能
Googleは、フルマネージドのコンテナ化アプリケーション実行環境「Cloud Run」にイベントを送信できる新機能「Eventarc」の一般提供を開始した。分散されたマイクロサービス間でのイベントベースの通信に役立つ。
Googleは2021年1月29日(米国時間)、新しいイベント送信機能「Eventarc」の一般提供を開始した。開発者がサーバレスでフルマネージドのコンテナ化アプリケーション実行環境「Cloud Run」サービスにイベントを送信できる。
Eventarcがイベントの取り込みや配信、セキュリティ対応、オブザーバビリティ(可観測性)の確保、エラー処理の詳細を扱うため、開発者はイベント処理コードの作成に集中できるという。
多彩なソースを利用できるEventarc
Eventarcの主な機能は次の通り。
- 「Cloud Storage」や「BigQuery」「Firestore」など60以上の「Google Cloud」ソースから、Googleの監査ログツール「Cloud Audit Logs」経由でEventarcがイベントを受信する
- イベントの取り込みと配信を行うGoogleのメッセージングサービス「Pub/Sub」にメッセージをパブリッシュして、カスタムソースからEventarcがイベントを受信できる。コードでイベントを送信し、マイクロサービス間でシグナルをやりとりできる
- ソースに関係なく、全てのイベントを「CloudEvents」仕様の標準準拠とし、一貫した開発者エクスペリエンスを確保する
- 最低料金の設定がなく、オンデマンドのスケーラビリティを利用できる
「gcloud」コマンドが新しくなった
次にパブリックプレビュー版のリリース後から現在までにEventarcとGoogle Cloudのコマンドラインツール「gcloud」コマンドに加えられた改良の概要を紹介する。
第1に、Eventarcのコマンドで「beta」を指定する必要がなくなり、「gcloud beta eventarc」ではなく、「gcloud eventarc」と入力すれば済むようになった。
第2に、パブリックプレビュー版にあった「--matching-criteria」フラグの名称が「--event-filters」に変更された。
第3に、リージョナルトリガーの作成時に「--destination-run-region」がオプションとなり、ユーザーが指定していなければ、トリガーロケーション(「--location」フラグまたは「eventarc/location」プロパティで指定される)とともに生成されるようになった。
例えば、以下の方法で作成するトリガーは、同じリージョンのPub/Subトピックからのメッセージを取得(リッスン)する。
gcloud eventarc triggers create trigger-pubsub \ --destination-run-service=${SERVICE_NAME} \ --event-filters="type=google.cloud.pubsub.topic.v1.messagePublished"
独自のPub/Subトピックを利用できる
パブリックプレビュー版では、ユーザーがPub/Subトリガーを作成すると、ユーザーがアプリケーションとCloud Runサービス間の転送トピックとして使えるように、EventarcがバックグラウンドでPub/Subトピックを作成していた。
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