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今すぐクラウドに移行すべき7つのワークロードGartner Insights Pickup(193)

リモートワークの急増に伴い、在宅勤務環境の整備や事業継続の維持、ビジネスレジリエンス(回復力)の構築という観点から、クラウドサービスが注目されている。

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ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Smarter with Gartner」と、ガートナー アナリストらのブログサイト「Gartner Blog Network」から、@IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップして翻訳。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。

 2020年に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行(パンデミック)に伴い、リモートワーカーが急激に増加した際、クラウドサービスは事業継続やディザスタリカバリー(DR)などのビジネスの要請に応えるスケーラビリティや、変化の中での主要ワークロードの可用性確保といったうたい文句を実現した。

 実際、パンデミックへの企業の対応は、クラウドサービスの多くのメリットを実証してきた。

 「COVID-19のパンデミック下で在宅勤務ポリシーを導入した組織の75%は、2022年まで従業員のリモートワークオプションを維持するだろう」。Gartnerのアナリストでディスティングイッシュト バイスプレジデントのエド・アンダーソン(Ed Anderson)氏は、バーチャル(オンライン)にてインドで開催された「Gartner IT Symposium/Xpo 2020」で行ったプレゼンテーションでそう語った。

 「クラウドの導入はますます加速するだろう。主要ワークロードがリモートワーカーをサポートするとともに、データセンターオペレーションを維持する必要があるからだ」(アンダーソン氏)

 パンデミック後の世界では、主要ワークロードをクラウドに移行することで、クラウドが提供する現時点でのメリットを活用するとともに、次の不測の混乱に備えることができます。

 あらゆる規模の組織が、重要なワークロードをパブリッククラウド環境で優先的にホストすべきであり、中でも次の7つの主要ワークロードは、今すぐクラウドに移行すべきだ。

1:モビリティ

 組織の主要なサービスやデータへのアクセスなど、モバイルデバイスおよびアプリケーションはリモートワークに欠かせない。モバイルサービスに関連する需要の変動性は、クラウドの適応性の高いオペレーティングモデルと良く一致しており、クラウドはモバイルソリューションを支える最適なバックエンドとなっている。

 「モバイルアプリケーションをサポートする堅牢(けんろう)な機能を提供する、ハイパースケールクラウドパートナーを選ぶとよい」(アンダーソン氏)

 クラウドネイティブ技術の実装やオペレーティングモデルなどを含め、ホスティングクラウドプラットフォームの全ての機能を検討すべきだ。

2:コラボレーションとコンテンツ管理

 Microsoft Office 365、AppleのiWork、Google Workspace(旧Google G Suite)は、コラボレーションを促進する企業向けアプリケーションスイートの3つの例にすぎない。これらのアプリケーションの成功は、コラボレーションがほとんどの組織にとって、幅広く水平展開することが可能なクラウドでの利用にいかに適しているかを証明している。また、当然のことながら、クラウドベースのコラボレーションはリモートアクセスで活用でき、レジリエンス要件を満たしている。

 コンテンツ管理の全面的なクラウド移行は、法律やガバナンスの問題によっては実現できない場合があるかもしれないが、まだまだこういった事例は例外であり、一般的なことではない。

3:ビデオ会議

 世界のリモートワーカーにとって、ビデオ会議は最も重要なツールの一つだ。COVID-19のパンデミックを受けてビデオ会議技術の需要が倍増し、一部の市場では3倍に増えた。ビデオ会議は利用パターンのばらつきや変動が大きく、多くのネットワーク帯域幅を必要とする。このため、ハイパースケールクラウドプロバイダーが、ビデオ会議ソリューションを高い信頼性で提供するのに適している。


(出所:Gartner)

4:仮想デスクトップとリモートワークステーション管理

 仮想デスクトップ(デスクトップ仮想化)ソリューションは、IT管理者が物理デスクトップシステム(ノートPCを含む)と個々のユーザーが使うデスクトップ環境およびアプリケーションを分離するのに使用するツールだ。実際に、リモートワークを実現するための最も重要な要素の一つであり、個々のユーザーがどこからでも自分のアプリケーションやドキュメントにアクセスでき、インターネット接続を維持できるようにする。

 デスクトップ仮想化はデータセンターサービスとして提供されることも多い。クラウドベースのデスクトップ仮想化が主流となっているが、従来のデータセンターベースのソリューションよりも、安定したスケーラブルな管理ポイントを提供するからだ。

5. スケールアウトアプリケーション

 スケールアウトアプリケーションは需要の増加に対応する上で、コンピューティングリソースを追加することでメリットを得るアプリケーションだ。スケールアウトアプリケーションの需要拡大に伴い、組織はデータセンターアプリケーションをクラウドプラットフォームに移行してきた。

 パンデミックの影響により、突然、IT運用モデルが一変したことで、この傾向に拍車が掛かっている。ハイパースケールクラウド環境の成功により、クラウドプラットフォームの信頼性の高いビジネスケースが確立され、クラウドは、利用の変動やばらつきがあるアプリケーションや、スケールアウト要件を持つアプリケーションをホストする環境として好まれるようになっている。

6:ディザスタリカバリー(DR)

 Gartnerは、2023年までに半数の組織が、クラウドベースのDRソリューションの予算を増やすと予測している。

 「クラウドベースのDRソリューションは、予期せぬフェイルオーバーの発生をサポートする従量課金型の環境を提供する。最近では、こうした環境を使用することで得られる費用対効果が求められるようになっている」(アンダーソン氏)

 クラウドベースのDRサービスをサポートする多くのソリューションやアプローチが登場し、顧客の需要を喚起するだけでなく、プロバイダーの選択肢も増やしている。こうしたソリューションを導入、展開すべき時が来ている。

7:事業継続ソリューション

 事業継続ソリューションは、危機的事態の発生時および発生後も、発生前と同様にビジネスプロセスを機能させ続ける。Gartnerが実施した最近のサーベイによると、COVID-19のパンデミックを経て、ビジネスオペレーションを通常通りに継続していると答えた回答者は12%にとどまる。

 クラウドオペレーティング環境の冗長性は、クラウド環境は本質的に回復力を備え、ほとんどのプライベートデータセンターよりも高い可用性保証を提供することを意味する。

出典:7 Workloads That Should Be Moved to Cloud Right Now(Smarter with Gartner)

筆者 Manasi Sakpal

Public Relations Manager


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