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人流データを基に小売店のフードロスを削減 NECと枚方市がスマート街路灯の実証実験:「映像データは削除され、個人は特定されない」
NECは大阪府枚方市と、スマート街路灯を活用した快適なまちづくりを目的とした実証実験を実施する。スマート街路灯のネットワークカメラで撮影した映像から通行者の人数や性別などを分析し、来客数を予測して小売店のフードロス削減などに取り組む。
NECは2021年3月16日、大阪府枚方市と「スマート街路灯の実証実験に関する協定」を締結したと発表した。同協定は、枚方市が行政課題の解決を目指して取り組む公民連携活動の一環。枚方市は、ITを活用した快適なまちづくりの施策検討や、公共・産業分野でのデータ利活用を目的に、人の通行状況の計測に取り組む。
人流データから来客数を予測
実証実験は、枚方市にあるニッペパーク岡東中央でNECのスマート街路灯を使って実施する。スマート街路灯には、LED照明や無線機、スピーカー、ネットワークカメラ、デジタルサイネージが取り付けられている。NECソリューションイノベータの性別・年齢自動推定システム「FieldAnalyst」を用いて、ネットワークカメラで撮影した映像から通行者の人数や性別、年代を分析し、得られた人流データから来客数を予測して小売店のフードロス削減などに取り組む。
NECは「本取り組みで取得する映像データで個人が特定されることはない。データが自動で解析された後、映像データは即時に削除されるため、個人を特定するデータは保存されない」としている。
今後NECと枚方市は連携して、デジタルサイネージやスピーカーを活用した情報発信など、まちづくり施策の仮説検証にも取り組む。
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