Microsoft、デスクトップアプリ開発を容易にする「Project Reunion 0.5」を公開:Win32とUWPの垣根をなくすコンポーネントとツールのセット
Microsoftが「Project Reunion 0.5」を公開した。Windowsアプリケーション開発プラットフォームの次世代の新しい開発者向けコンポーネントとツールのセットだ。Win32とUWPの垣根をなくすものと位置付けた。
Microsoftは2021年3月29日(米国時間)、「Project Reunion 0.5」を公開したと発表した。Project Reunionは、Windowsアプリケーション開発プラットフォームとして機能する次世代の新しい開発者向けコンポーネントとツールのセット。
Win32とUWP(Universal Windows Platform)の垣根をなくし、Windows開発プラットフォームをよりアジャイルでモダン、オープン、互換性の高いものにすることを主な目的としている。
MicrosoftはProject Reunionと、既存のプラットフォームやフレームワークの役割を次のように説明している。
「Project Reunionは、既存のデスクトップWindowsアプリプラットフォームや、.NET(Windows FormsとWindows Presentation Foundation:WPFを含む)、C++/Win32などのフレームワークを置き換えるものではない。開発者がこれらのプラットフォームで利用できるAPIとツールの共通セットを用いて、既存プラットフォームを補完するものだ」
Project Reunionで提供されるAPIとツールの統合セットは、「Windows 10」の幅広いバージョン上のどのデスクトップアプリケーションからでも一貫した方法で使用できる。MicrosoftはProject Reunionについて次のような特徴を挙げている。
- Windows UIライブラリ(WinUI)3の強力なUIなど、ユーザーにとって魅力的なモダンUIを使用できる
- ローカライゼーションや電源状態通知など、新しいプラットフォーム機能にアクセスできる
- 「Windows 10 October 2018 Update」(ビルド17763/バージョン1809)までの下位互換性を備える
さらに、Project Reunionは次のように、アプリケーションを書き換えることなく使用できる。
- 既存インストーラを使用できる(「MSIX」を使う必要がない。ただし、MSIXには信頼性やセキュリティ上のメリットがある)
- 必要な要素だけを追加できる
- Win32、WPF、WinForms、UWPアプリケーションに対応する
Microsoftはこの他にも、Windowsアプリケーション開発者にとってのProject Reunionの利点として、次の2点を挙げている。
- デスクトップアプリケーションプラットフォームの統合APIサーフェス
Project Reunionにより、全てのデスクトップWindows 10アプリケーションのWindows APIへのアクセスが統合される。どのアプリケーションモデルを選択しても、Project Reunionで利用できる同じWindows APIセットにアクセスできるようになる。Microsoftは異なるアプリケーションモデル間の相違をなくすように、長期にわたってProject Reunionに投資していく計画だ。Project Reunionには、WinRT APIとネイティブC APIの両方が含まれる。 - 短いリリースサイクル
新しいWindows APIと機能は通常、年に1回または2回リリースされる新バージョンのOSで提供される。Project Reunionの更新プログラムはより短いサイクルで提供されるため、Windows開発プラットフォームでイノベーションを実現でき、より早く、より迅速に利用できるようになる。
Project Reunion 0.5で使用可能なコンポーネント
Project Reunionを用いてデスクトップアプリケーションを開発するには、「Visual Studio 2019」の拡張機能「Project Reunion Visual Studio Extension」(VSIX)をダウンロードして用いる。
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