検索
連載

ラボ環境のメモリが足りない! あるサーバアプリのハードウェア要件が右肩上がりな件についてその知識、ホントに正しい? Windowsにまつわる都市伝説(187)

1年以上前に筆者のラボ環境の仮想マシンにインストールした「Microsoft Endpoint Configuration Manager」を、最近リリースされた最新バージョンにアップデートしようと思ったら、あれやこれやで丸一週間かかりました。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
「Windowsにまつわる都市伝説」のインデックス

Windowsにまつわる都市伝説

ConfigMgr バージョン1910から2103へのアップデートに丸一週間かかったワケ

 「Microsoft Endpoint Configuration Manager(略称:MEMまたはConfigMgr)Current Branch」は、かつては「System Center Configuration Manager(略称:SCCMまたはConfigMgr)」、もっと昔には「Systems Management Server(略称:SMS)」と呼ばれていた統合システム運用管理ツールです。ConfigMgr 1910からは「Microsoft Intune」などとともに「Microsoft Endpoint Manager」の一部になりました。

 ConfigMgrは、2015年12月リリースのバージョン1511から「Current Branch」のサービスチャネルで提供され、1年に3バージョンのサイクルでリリースされています。「System Center 2016」ファミリー製品のリリースに合わせ、2016年10月1日以降にソフトウェアアシュアランス(SA)契約が失効するCurrent Branchユーザー向けに「Long Term Servicing Branch(LTSB)」版の「System Center 2016 Configuration Manager」が提供されましたが、これはCurrent Branchのバージョン1606をベースにしたものです。

 筆者にとってこの製品は、遠い昔に勤めていた会社でシステム構築を担当した「Windows NT Server 3.5」上のSMS 1.0以来の長い付き合いです。ここ10年はあいさつ程度の付き合いといった感じです。歴史が長く、名称変更やブランド変更、サービス提供方法変更など、少し目を離していると、すっかり知らない世界になっています。

 1年以上前、新しいブランドへの名称変更を機に、筆者のラボ環境の「Windows Server 2016」仮想マシンにConfigMgr バージョン1910のサイトサーバ兼データベースサーバをインストールしてみたことがあります。その際、直接ConfigMgr バージョン1910を新規インストールする方法はなく、ベースラインバージョンであるConfigMgr バージョン1902を新規インストールしてから、ConfigMgrの更新機能でバージョン1910にアップデートする必要がありました。

 前回のConfigMgr バージョン1910へのアップデートはさほど苦労しなかったと記憶しています。前回はスクリーンショットを撮っただけで、特定の機能を評価したわけではありませんし、その後、使用することも一切ありませんでした。

 ただ、Windows Server 2016のWindows Updateだけは続けていました。以下のドキュメントで説明されているように、ConfigMgr バージョン1910のサポートが「2021年5月29日」に終了したことと、2021年4月に最新バージョン「2103」が正式にリリースされたことを受け、最新バージョンにアップデートすることにしました。幸い、バージョン2103はバージョン1910以降からのアップデートにギリギリ対応しています。

 結果から言うと、通常の手順でアップデートすることはできました。ただし、それに要した時間はなんと延べ1週間です。仮想マシンなので、状態の保存と復元を繰り返しながら、実質的な営業時間では2〜3日くらいだったと思います(画面1画面2)。

画面1
画面1 2021年4月13日にバージョン2103の更新プログラムのダウンロードを開始。ダウンロードとレプリケーションのタスクはすぐに終了したが、前提条件の確認に時間を取られた
画面2
画面2 更新プログラムのインストールが完了したのは7日後の4月20日早朝。7日×24時間ではないことに注意。最後の1日は一晩放置したが、それ以前は時間が空いたときに仮想マシンを再開させた

 ちなみに、開始したときには「Early update ring」向けのリリースであり、そのための追加手順が必要でしたが、完了した日(4月20日)はEarly update ringステージは終了し、一般向けに提供が始まった日でした。

 こんなにも時間がかかった原因は分かっています。仮想マシンに割り当てたコンピューティングリソースが少な過ぎたのです。筆者のラボ環境にあるサーバは、10年以上前に導入した4コア(8論理コア)のIntel Xeon(Nehalem EP)プロセッサ、12GBのDDR3メモリ、SAS HDD(1万5000RPM)×3台と増設の1TB ATAディスク×2台というスペックです。

 CPUやメモリ、ディスク性能全てにおいて、2020年にリプレースしたメインのデスクトップPCよりも劣るスペックです。今回の仮想マシンには、8コアの仮想CPUと7.5GBのメモリを割り当てています。ホストのシステムが予約している分があるため、8GBを割り当てることはできませんでした。前回の経験から、ConfigMgrの機能を評価できなくても、この構成でインストールするくらいなら何とかなると思っていましたが、そう簡単ではありませんでした。

 「クラウドのIaaSを使えばいいじゃないか」という声が聞こえてきそうですが、機能をしっかり評価したいならともかく、インストール(アップデート)して終わりの前提です。クラウドは潤沢なリソースを割り当てられますが、その分、お金がかかります。

ConfigMgrの推奨および最小ハードウェアは?

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る