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課題は「知見やノウハウ不足」 トライトグループが「保育施設におけるDX実態調査」の結果を発表「DXに関する知識を持つ人材の価値が高まる」

トライトグループは、「保育施設におけるDX実態調査」の結果を発表した。保育活動に活用できるツールの導入は進んでいるものの、DXを推進するための「知見やノウハウの不足」が課題になっていることが分かった。

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 トライトグループは2021年8月11日、「保育施設におけるDX実態調査」の結果を発表した。それによると、保育活動に活用できるツールの導入は活発になっているものの、「デジタルトランスフォーメーション」(DX)を推進するための「知見やノウハウ」が不足していることが分かった。

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DXの取り組み状況(出典:トライトグループ

 保育業界では業務負担の多さなどから「保育士の深刻な人材不足」が起きている。トライトグループによると、政府は業務の効率化を目的に保育に向けたITシステムの導入を支援しているが、システム導入の時間やコスト、知識不足が原因でDX推進の取り組みが停滞しているという。

 今回の調査は保育業界でのDXの進捗(しんちょく)や課題を把握することが目的。保育に従事する男女307人から有効回答を得た。

DXが求められる背景には「保育士の深刻な人材不足」がある

 保育のDX実現に向けた取り組みについて聞くと「取り組んでいる」と回答した割合が39.8%で、「取り組んでいない」は26.4%だった。取り組んでいると回答した人の70.5%が「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策でデジタル化が加速した」と回答した

 DX実現に向けてデジタル化を進めた業務について聞くと「保育記録」と回答した割合が最も高く、37.7%(複数回答、以下同)だった。次いで「園児の写真管理」(33.6%)、「保護者との連絡」(32.8%)が続いた。

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保育施設で利用しているツール(出典:トライトグループ

「仕事量の多さ」「労働時間の長さ」などの課題を解決

 デジタル化の推進によって業務や働き方に変化があったかどうかを聞くと、業務や働き方が「非常に改善された」と回答した割合は6.6%、「改善された」は45.1%で、約半数が業務や働き方の改善を実感していた。「悪くなった」は3.3%だった。

 業務のデジタル化によって改善されたことを聞くと、「子どもの安全を管理しやすくなった」と回答した割合が最も高く、25.4%(複数回答、以下同)。次いで「残業時間が減った」「これまで着手できなかった業務や保育に取り組めるようになった」「子どもの健康状態が把握できるようになった」が23.8%だった。

 トライトグループは「保育士が離職する理由の上位を占める『仕事量の多さ』や『労働時間の長さ』といった課題が業務のデジタル化によって解決され、保育の質の向上にもつながっている」と分析している。

 DXを進める上での課題について聞くと「知識・ノウハウがない」が最も多く、41.7%(複数回答、以下同)の人が挙げた。トライトグループは「保育業界でもデジタル技術の活用が求められており、今後DXに関する知識を持つ人材の価値が高まる」と予想している。

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DXを推進するに当たっての課題(出典:トライトグループ

 トライトグループの若林利晃氏(執行役員、保育事業部 営業本部第三事業部長)は「保育施設での『DX実現に向けた業務のデジタル化』は保育士の業務負担の軽減や人件費の削減につながり、業務の効率化や保育の質の向上などの効果をもたらすことが分かった。一方で『知見がないため、どのように進めたらいいか分からない』という保育施設が多いこと分かった」と述べている。

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